モノだけではなく多くのコンテンツが選択可能な現代―時代とともに変化するビジネスモデルーⅢ
[大企業と同等の媒体を手に入れた中小企業]
大企業に有利だった広告宣伝戦略。
ところが、インターネットというパーソナルに利用できる情報伝達媒体が出現しました。
これによって、極めて小さな発信元であっても大きな潜在市場に向かって情報を発信することが可能になったのです。
マスメディアの利用においては弱者だった中小企業が、強者である大企業と同等の媒体を手に入れたことになります。
「広告媒体は高額」という、弱者(中小企業)にとってのネックが解消されたのです。
また、この環境の激変は、情報発信の方法論にも大きな変化を起こしています。
マス媒体を使った広告宣伝は、どうしてもキャッチ―で目立たなければならないという宿命を背負っていました。
そのために、短いフレーズで的確に、こちらの商品特性や強調したいメッセージを伝えなければなりませんでした。
それには、長々としたフレーズはなじまないので採用しにくいのです。
しかし、ネットの世界では、細部にわたるまで理解させることが可能な情報を連続的に発信することができます。
細かい特徴やこだわりといった、通常の広告宣伝では伝えにくい内容にまで踏み込むことができるのです。
仕掛けの仕方によって、ネットで形成した大きな分母の中から自分を捜させ、選ばせることが可能になったのです。
ということは、独自性に溢れた情報を連続的に発信し続けるべき、という課題が課せられることになります。
マス媒体にかかる費用を節減できる代わりに、ネット媒体ではそういった努力を怠らないという課題は発生します。
ただしこれはもともと自分の専門分野でありますから、できない話ではないはずです。
つまり、このパーソナルな情報発信の世界においては、マス媒体を使った広告宣伝の世界におけるプロフェッショナルなスキルは、特別には要求されないのです。
素人にも可能な情報発信の方法論ということになります。
したがって、自社の広告戦略を構築するためには、こういった方法論に慣れ、それを自在に利用できる環境とスキルを自らの事業の周りに整備する必要があります。
これは中小企業にとって大きなチャンスといえるでしょう。
これまで大企業だけが採用可能だった広告におけるビジネスモデルを、中小企業も異なる形で実践できるようになったのです。
このネットを活用した分野に関しては、広告宣伝部門だけでなく、まだまだ、新しいタイプのビジネスモデルも出現しそうな予感もします。
この時代環境を大いに利用して中小企業の発展に繋げたいものです。
ラジオ放送後、みんなでパチリ。
ひとり、怪しい奴がいます。
おしまい