常識破りの功罪Ⅲ
[まず顧客候補に知ってもらわなければ]
さて、いろいろと書いてきましたが、それをまとめてみたいと思います。
ここまで、
「変わらなければならないことは分かっているが、何をしたらいいのかわからない。」
という2代目経営者が、最も取り組まなければならないのは「販売促進」である、と述べてきました。
それには、新しい商材や新しいサービスを考え、それを新しい切り口で提供していかなければならない、という前提があるからである、とも述べました。
何故ならば、新しいものは、まず顧客候補に知ってもらわなければ、購入という具体的な行動につながるはずもないからです。
「知ってもらう」というのは企業活動でいえば、広く「販売促進」ということを指します。
それは広報活動であったり広告宣伝であったりと、販売に繋がるあらゆるマーケティング的活動を指すのでやり方はいろいろです。
かつて、売り手市場で尚且つ地縁血縁を中心に販売が成立してきた地方の中小企業には、この「販売促進」という考え方が薄いのです。
「販売促進」には費用や手間をかけてわざわざ売り込まなければならない、という側面があるからにほかなりません。
特に年配の先代経営者には、この点が認識されていないので、後継者に対してもここに関するノウハウは継承されていないのが現状です。
それどころか、後継者がこれを手掛けようとすると、強いアレルギー反応を示す先代もいるくらいなのです
また、マスメディアなどによる広告宣伝が、多額の費用を要することもネックになっていました。
これら様々な背景によって、中小企業の販売促進に対する訓練そのものがおろそかになってきたのです。
その結果、インターネットとかSNSとか、便利で安価な媒体が普及してきたにもかかわらず、これらに対する関心もいまだに希薄なままです。
トライアルもあまりなされていません。
後継者の間では、新しい商材や新しいサービスが必要という意識は、ある程度共有されているようなので、まずその企画開発に取り組んでもらいたいと思います。
そして、中小企業にとってもともと手薄である営業を補完する意味で「販売促進」をもう少し真剣に考えてみたらどうだろう、というのが今回のコラムの趣旨なのです。
とはいえ、ただ考えるばかりで手をこまねいていても何も始まりません。
HPも持っていない、SNSも使ったことがない、会社案内も商品パンフレットもない、ではお話にならないことはこれまで書いた通りです。
こういったお話はクライアントさんにも直接散々してきました。
「そうなんだよねー、やらなきゃいけないことは分かってんだよねー。」
との返事は必ずいただくのですが、実際始めた人はほとんどいないのです。
グズグズしている場合ではありません。
新しい商材や新しいサービスについて、あらゆる媒体を通じてどんどん情報発信していくことが今求められているのです。
できることからすぐやりましょう!
これはラジオを使った情報発信風景。
おしまい