常識破りの功罪Ⅳ(おしまい)
[商工業者の課題は「販売力不足」]
次に「販売力不足」について考えてみたいと思います。
「商品力」については主に農畜産業を例にとって述べてきましたが、「販売力」については、商工業者にその課題を抱えるケースが多いようです。
販売力が不足しているとどういう事態に陥るのでしょうか。
それは
―売れない→在庫を多く抱える→資金不足になる→収益が悪化する→財務状況まで悪化してくる→会社が弱体化する→(帳簿上黒字にもかかわらず)倒産に至る―
というサイクルになるのです。
つまり、「販売力不足」は商工業者の場合、農畜産業者と異なり在庫を抱えるという問題が発生してしまうために、黒字倒産を含めた様々な問題を引き起こすことになるのです。
税金を納めながら倒産に至るという、当事者にとっては何とも納得のいかない結果が待っているのです。
とはいえ、「販売力」即ち「営業力」を急に身につけるのは容易なことではありません。
これまで格別、営業に取り組んだことのない未経験者に
「前のめりになって、どんどんものを売ってこい。」
というのは酷な話でもあります。
もちろん、直接収益増につながる営業力が身につくのに越したことはないのですが、その前に「販売促進」に注力してはどうでしょうか、と提案したいのです。
これまで、地方における商売の方々を見ていますと、こちら側から情報発信をして、市場にアプローチしていくという発想に乏しいように見えます。
未だに「待ち」の姿勢が多いのです。
もっと自社を案内する、宣伝するという姿勢が欲しいと思います。
火の消えたようなシャッター商店街
つづく