目線を変えよう―考えかたと視点を変えなければなにも変わらないよ―Ⅰ
[商品力に込められた思い]
松坂牛、鹿児島黒豚、名古屋コーチンなどは地域を代表するブランド品であり、日本はおろか海外でも高値で取引され、ここまで上り詰めれば「相場」に左右されることはない・・・
私の顧客でいえば、例えば「無薬豚」という豚を飼育されている養豚業者がおられます。
まさに読んで字のごとく、薬品を投与していない豚のことです。
豚という動物は病気に罹りやすいために、通常は育て上げる過程で、かなり大量の薬を投与しなければんならないらしいのです。
「無薬豚」はこの薬の投与を最小限に抑えた豚で、飼育が極端に難しいようなのです。
この豚は安全かつ味をもいいということで、一般の相場にほとんど左右されることなく取引されています。
海外からに引き合いも多いとのことなのです。
同様のことは、牛や農産物にも言えます。
肉牛はその肉質によって等級が細かく決められています。
上位にランクされる肉牛は、相場に全く左右されないという訳ではないのですが、高値で落札されることに変わりはありません。
農産物では、近年特に安全志向が強いために、やはり有機栽培、減農薬といったキャッチフレーズの効果は高いようなのです。
栽培に人一倍苦労はあるでしょうが、チャレンジしてみる価値はありそうです。
さて、話を「商品力」に戻しましょう。
商品が「高い商品力」持つものとして市場に評価されるためには、これまで述べてきたように「他にはない付加価値」が必要なのです。
こう書いてくると、そのハードルはかなり高いように思えますが、実はそうでもありません。
とはいえまずは、平均的な品質を絶対に下回らないことです。
平均の品質に達していなければ、そもそも普通に評価されることすらあり得ないからです。
このハードルを越えたとしたら、その時代その時代に応じて最も求められていることを、一つでも他に抜きんでて達成することです。
それは、速さ(早さ)であったり、重さであったり、見た目であったり、安全性であったり様々考えられます。
まずは、何か一つでもいいから「これに関しては人に負けない。」という特徴を持つ努力を試みてみるべきでしょう。
そこから突破口は拓けるはずです。
鹿児島黒牛。2017年、日本一に輝きました。
つづく