世の中の業界のあり方について根本から考える―我々税理士の世界はどうなのだろうか?―Ⅱ
「提案」こそが経営者が求めるもの]
私は、本当の意味で中小企業のお役に立ちたいのであれば、さらに踏み込んだ「仕事」が必要なのではないか、と思ってはいるのですが・・・
それでは、会計の専門家に求められる「踏み込んだ仕事」とは何だでしょうか。
それは「提案」という領域出の仕事であろうと私は思っています。
我々会計人が指摘できるのは、アウトプットされた会計データを読み込んだ上での、経営に役立つであろう様々な判断ということになります。
これが、比較的高度な「判断」であり、そこに専門性が加わっていれば、それで経営者にとっては十分ありがたいのではないかと思います。
しかし、更にそこに「提案」が加わればこんな力強いことはないのではないでしょうか。
それは、経営者には、我々の「判断」を受けて、今度は自らが次の「判断」を下さなければならない、という宿命が課されているからにほかなりません。
その一助となるために、「提案」という領域まで我々が踏み込めれば、サービスとしての付加価値がかなり高まるのではないでしょうか。
そもそも、我々が指摘する会計データ上から読み取れる「判断」というは、それはあくまでも原則「過去」に依拠していることになります。
しかし、経営者が下さなければならない「判断」は「未来」のものなのです。
この、経営者に課せられた未来への「判断」は格別に難しいものとなります。
何らかの「ヒント」が欲しいと思ったとしても無理な話ではありません。
そのわずかな「ヒント」でも提案できれば、かなりありがたいはずなのです。
こんな風に考えることが「税理士にこれから求められる仕事」の、それこそヒントになるのではないでしょうか。
良い提案ができるでしょうか・・・
つづく