世の中の業界のあり方について根本から考える―我々税理士の世界はどうなのだろうか?―Ⅲ
[定型化できる部分とできない部分]
税務、会計及び数字の専門家として「一般社会でも処理検索が可能なレベル」を超えて行けばいい・・・・・
「それがわからないから苦労しているんじゃないか!」
という声が聞こえてきそうです。
しかし、私はその「答え」は、実はあるにもかかわらず、それを掴もうとにチャレンジしようとしていないからわからないのだ、と思っています。
これまで述べてきた中で「標準化(コモディティ化)」され、高い料金が貰い辛くなったのは、会計における一連の作業のうち「処理」「入力」といった前半の入口部分ということになります。
この部分は、もともと定型的であり画一的な作業であるために、現在の技術をもってすれば標準化、自動化がやりやすかったのです。
で、当然のようにそうなってきました。
それでは定型化画一化しにくいのはどの部分になるのでしょうか。
それは、
「自動的に処理入力(インプット)され、導き出された会計データ(アウトプット)をどのように活用するか。」
という部分であろう、と私は思っています。
会計データというものは当然一定の法則によって導き出されます。
その法則がバラバラであっては、例えば「課税」といった法律上の公平性が保たれなくなってしまうことになります。
この「法則」があり、それが働くから標準化もまた可能なのです。
しかしながら、導き出された会計データを、企業経営にどう活かしていくかは、その企業その企業によって事情はかなり異なってきます。
なぜならば、規模の大小、業種などそれぞれの企業の置かれている事情は様々だからにほかなりません。
すべてが定型化できる訳ではありません。
つづく