世の中の業界のあり方について根本から考える―我々税理士の世界はどうなのだろうか?―Ⅱ
[市場ニーズは新たな供給を生み出す]
「記帳代行」・・・・誰かやってくれないかな・・・・
需要は、新たな供給を世の中に生み出します。
このようなニーズを背景に、世の中に登場したのが「記帳代行」を専門にこなす請負集団です。
彼らは簿記会計の専門的な知識はなくてもコンピュータ操作には長けていました。
まず、とにもかくにも会計のルールに則ったシステムをなんとかして作り上げてしまえば、あとはコンピュータが自動的に処理してくれることになります。
しかも、コンピュータによる処理は「瞬時大量に」が可能なのです。
この「瞬時大量に」という特質は何をもたらしたでしょうか。
それは極めて安価に会計データが処理できるという世界を出現させたのです。
まあこれは、ご存知の方も多いと思いますが、いろいろある中で、会計事務所の最大の弱点は、
「営業力が弱い」
ということに尽きます。
私の目から見れば、営業力に関しては「弱い」というよりほとんど存在しないといってもいいくらいです。
記帳代行専門集団は、この点も真逆でありました。
開発力と営業力に優れている彼らは、こういった企業力を背景にして、新たな「記帳代行市場」の開拓を図ったのであります。
彼らによって、この市場がどこまで開拓されているのか統計的な数字などよくわかりませんいが、一定のシェアを占めていることは間違いないところでしょう。
それよりも何よりも、この手の事業の出現によって「記帳代行業務」の価格破壊のきっかけになったことは、まぎれもない事実なのです。
新たなノウハウ集団。ヒルズ族?
つづく