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海江田博士プロは鹿児島読売テレビが厳正なる審査をした登録専門家です

伝統の破壊と再生―日本酒の挑戦―Ⅹ

海江田博士

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テーマ:中小企業経営を考える

[あえてハングリーマーケット戦略はとらず]


さて、このように様々な紆余曲折を経て、現在のポジションを確保してきた『獺祭』ですが、今後の見通しについてリーダーである桜井氏は、どのように考えているのでしょうか。

― 設備投資を行った結果、2015年には生産能力は年間9000キロリットルと約3倍になった。
獺祭は手に入らない酒だから価値がある、という見方もある。
量が増えると、価値が下がる恐れはないのだろうか。
「日本酒業界は希少性にとらわれすぎだと思います。
「幻の酒」という言葉がありますよね。
しかし、3回に1度ぐらいは手に入らないと、本当の幻になってしまう。
供給が続かなければ、ブランドは維持できません。
「いい酒」は希少だから価値があるのではなく、おいしいから価値があるのだと思います。」―

希少性の高い商材については、意図的に出荷を制限して、常に市場を飢餓状態に置くという「ハングリーマーケット戦略」があります。
身近なところでは焼酎ブームの頃、そのブランド名を高めた「森伊蔵」などはその典型でしょう。
最もこれは、メーカー側が意図的に出荷していないというよりは、製造能力がそこまでしかない、という事情によるものらしいのですが・・・
これに対して、桜井氏の場合は生産能力を上げて、あえて不足している状況は作らない、という意思を明確にしておられます。

― 「いい酒」は希少だから価値があるのではなく、おいしいから価値がある―という氏の言葉は、まさに物事の本質を言い得た表現であろうと思います。
小手先の手法に拘らず、ビジネスの王道を行く氏の考え方をよく表しています。



みんなでワイワイ。にぎやかな酒席。


つづく

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海江田博士
専門家

海江田博士(税理士)

税理士法人アリエス

税務相談はもちろんのこと、従来の税理士としての職務に留まらず経営者自身で革新できることを目指した支援を続けています。日本経済をしっかりと支えられる強い基盤を持った中小企業への第一歩のお手伝いをします。

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