目線を変えよう―考えかたと視点を変えなければなにも変わらないよ―Ⅰ
杜氏達との確執とその廃止、販売業者への挑戦的な宣言といった経緯を経て、桜井氏はどのような結論に達したのでしょうか。
― 「安くすれば売れる、というのは嘘です。もう二度とやりません。」―
これは極めて重大な結論です。
言葉自体は短いが、そう簡単に誰でも言えることではありません。
私は
「誰だって、安くしなくても売れるもんならそうしたいと思っているに決まっている。」
という言葉は嘘だと思っています。
この言葉には前提条件が付きます。
それは
「今までのやり方を変えないで・・・・」
という枕詞です。
人は、
「今までのやり方を変えれば売れる。」と
「安くすれば売れる。」
のどちらかしか選べないとしたら、私が予想するにおそらく「安く・・・・」の方が多いのではないか、と思います。
「そんなことはない!」
と言う人がいるかも知れませんが、少なくとも私がこれまで見てきた多くの現象はそうでした。
人は工夫する前に、値を下げるのです。
それくらい、現状を変えて創意工夫をするのはきついのです。
私の業界でも、同じことが言えます。
多くの税理士が、自らのサービスの内容を変えないで、値下げで勝負しようとしているではありませんか。
これはワインセラー。沢山のお酒が並んでいます。
つづく