どこでやるのか、は大事?―考えてみよう、立地というブランド―Ⅰ
スティーブ・ジョブ・・・その天才たる所以(ゆえん)
2013年制作の映画「スティーブ・ジョブズ」を観たことのない方は、是非ご覧になることをお勧めします。
この映画はアップルコンピュータの創成期やその後のPCの発展の流れなど、興味深い内容満載ではありますが、経営者としての観点からだけでも学ぶところが多々ありました。
映画の冒頭、彼のコンピュータ仲間がいわば自分の手慰みで作った初期のコンピュータゲーム機のようなものが出てきます。
作った当人は自分だけが適当に遊べればいい、と思っていたようですが、ジョブズはこれを観てなにか閃き、その友人に量産型を製作するよう指示するのです。
これが、アップルコンピュータ誕生の最初のきっかけとなるのです。
このエピソードが示すように、ちょっとした何かを見て、その応用形、未来形が手に取るように頭に浮かぶ・・・ここがまさにスティーブ・ジョブズの天才たる所以であり、真骨頂のように見てとれるのです。
つまり、世の中にはそういったいわばネタ元(シーズ)になるようなものを作る人や、何かのシステムの1部を作るのが得意な人は比較的多く存在します。
しかしながら、それらの応用形や総合的な未来像を想像し、生き生きと頭の中に描ける人は少ないということではないでしょうか。
作る方の想像力の範囲については、通常上記のようなことがいえるのですが、それを購入し使う方の立場にも同じことがいえます。
世の中のまだ見たこともない、触ったこともないものに対しては普通の人はまず手を出しません。
素人である一般の消費者が、こういった機器を「なかなか面白そうじゃないか。」と、ホイホイと購入することなどまずあり得ないのです。
人は基本的には、保守的な動物なのであります。
したがって、スティーブ・ジョブズがそういった瞬間に描く未来形の様々な機器やコンテンツは、まだ一般の人や普通の消費者が欲しがるものではありません。
ところが、彼の頭の中ではそれらが普及し、多くの人がそれを喜んで使う姿がまざまざと目に見えているのです。
こういったスティーブ・ジョブズ特有の天才的な閃きや考え方、それを現実のビジネスとして実現していく一連のプロセスは、一見一般のビジネスマンには無縁の高度なレベルの世界に見えるかも知れません。
しかし、こういった彼のビジネスセンスも少しずつ分解して分析してみれば、我々目線のレベルにも応用できるものが多々見られるのです。
次回は、その分解して分析した内容に触れたいと思います。
今やPCはなくてはならない道具です。