突破できるのか、業界の常識というハードル―業界の常識は世間の非常識??―Ⅱ
さて、これまでいろいろと見てきましたが、霧島酒造の「離れる戦略」最後の結論として、この分析は「正しく離れる」ことの重要性を説いています。
以下引用します。
― 【離れる戦略の基本5原則】
○強みを生かしながら古い顧客から離れる
○古い目標を手離し、新しい目標を掲げる
○消費者と新しいコミュニケーションを始める
○社員と新しいコミュニケーションを始める
○古い自己像から離れ、新しい自己像を高く評価する顧客と出会う
この5原則においても「最高においしい製品を磨き作り上げる」という1点だけはぶれていません。
その本質的な目標を固く維持しながら、ほかの古いすべてのものから正しく離れています。
現代日本のビジネスシーンは、もはや頑固一徹な執着ではなく、健全な形で「離れる戦略」を実践できる企業と個人が飛躍を始めているのです。
大切な人ではありながら古い愛を手離すことで、人が新たな成長を実現できるときがありますが、企業が社会と新しい関係を育むためには、古い姿に閉じ込められることを避け、より多くの消費者に出会い愛される新たな自社像を打ち立てなければならない時代を迎えているのです。―
原理原則を維持しながら古いものから正しく離れていく。
「頑固な執着」からは飛躍的な成長は生まれない、というこの分析の結論は、その実践者である「霧島酒造」の実証例があるだけに説得力があります。
離れるためには、しなやかな発想と、断固とした勇気が必要です。
ここがままならなくて、多くの古い殻を背負った企業が四苦八苦しているのでしょう。
「離れる戦略」・・・今学ぶべき企業戦略の大きな成功事例と言えます。
夜明けの美しいオレンジ色です。
おしまい