どこでやるのか、は大事?―考えてみよう、立地というブランド―Ⅰ
この分析では、霧島酒造が取った「離れる戦略」について、5つの原則を抽出しています。
これらの原則は、「このままでは行き場がない、という強い危機感から生まれた新しい試みを具現化している。」と、言っていいでしょう。
かつての霧島酒造と同様、危機的状況に追い詰められている企業或いは業界はこれらの原則に注視してもらいたいと思うのです。
― 苦境からの飛躍を実現させた霧島酒造にかぎらず、過去、危機からのV字回復を成し遂げた企業を見ていると、危機から生まれる空白こそが、イノベーションのサイクルを始める起点となっていることがわかります。
同じことをやり続けても、行き場がもうないという八方ふさがりの状態が、最後に過去を手離すことをリーダーに思いつかせることになるからです。
【離れる戦略の基本5原則】
○強みを生かしながら古い顧客から離れる
○古い目標を手離し、新しい目標を掲げる
○消費者と新しいコミュニケーションを始める
○社員と新しいコミュニケーションを始める
○古い自己像から離れ、新しい自己像を高く評価する顧客と出会う ―
これを見ていると「新しく何かを生み出すことの重要性」に思いが至ります。
そのためには、既に賞味期限の切れた古い枠組みから脱出する必要性があるのでしょうが、それを自社の「原則」にまで掲げて実行に移す企業はほとんど皆無と言っていいでしょう。
つづく