どこでやるのか、は大事?―考えてみよう、立地というブランド―Ⅲ
旧顧客像から離れるためには、以下の様な試みを実行する必要があります。
リスクも大きいし困難な試みではありますが、それをやり切った霧島酒造だけが、飛躍的な発展を遂げることができたのだ、と言えるのではないでしょうか。
以下引用します。
― 単価を上げたいと思ったら、新単価を快く受け入れてくれる別の顧客に売る必要があります。
古い顧客によって規定された自己像(自社像)から離れ、新しい顧客と関係を作り上げる自社をイメージできるかどうかが、飛躍か停滞かの分かれ道となるのです。(中略)
霧島酒造のホームページにも「考動指針」として「夢がなくては始まらない」「会社の主役は『私』です」「やり過ぎぐらいがちょうどいい」など、独自のメッセージを社員に投げかけて、旧来のコミュニケーションから離れて、自主性とチャレンジ精神を鼓舞しています。
変化を鼓舞し、社員が自主性を発揮する主役になることを求めており、よくある「頭を使わず、ついてくるだけでいい」という古い管理思想から離れていることがわかります。―
「やり過ぎぐらいがちょうどいい」・・・・こんなことを社員投げかける会社が日本にどれだけあるでしょうか?
変化を鼓舞し、社員が自主性を発揮する主役になることを求める、などというのはこれまでの上意解脱の日本企業社会からは考えられなかった大胆な方針です。
トップが古い管理思想から離れることはまず必要なことですが、その変化を企業の末端にまで浸透させるのはさらに重要であることをよく物語っています。
つづく