どこでやるのか、は大事?―考えてみよう、立地というブランド―Ⅰ
変わらないで欲しいと願う恋人の気持ちをむげにしてまで改革に踏み切るということ。
様々な軋轢は避けることができません。
この困った事態に関して以下のように分析しています。
― 逆説的に言えば、多くの歴史ある企業は古い(愛用してくれる)顧客によって小さな自己像、限られた売り上げに閉じ込められている状態であるとも言えます。
新たな躍進には、多くの場合「古い顧客を手離す」という思い切った決断があります。(中略)
霧島酒造も「全国の人に飲みやすい、女性でも飲める芋焼酎」を製品開発のコンセプトにしています。
既存顧客から離れ、古い自社像や古い製品コンセプトからも離れた英断が、新たな消費者を同社の製品に引き付け、驚くべき飛躍のきっかけとなったのです。
企業側は製品開発や新技術によって、より顧客単価の高い販売を成功させたいと願うものですが、古い顧客はたいていの場合、製品単価が上がることを好みません。
古い価格帯だからこそ引き寄せられた顧客なのですから、ニーズが根本的に違うのです。―
これは、企業が改革の努力を行なうとき、それまで支えてくれた顧客の意思が、逆のベクトルに働く可能性があるということになります。
改革に踏み切るというのは、こういった事態が起こり得ることを心しなければならないのです。
つづく