歴史の虚妄について考える―フィクションとしての歴史に向き合う―Ⅴ(おしまい)
今年(2017年)日本は、戦後72年を迎えました。
私は現在65歳ですから、生まれてから記憶に残っている50年ちょっとの年月を、戦後の日本とともに歩いてきたことになります。
その間に強く感じるのは、「日本は本当に豊かになったなあ。」ということです。
当り前のことを言っているようですが「豊かさの実感」は様々な形で感じることができるのです。
敗戦直後の日本は、おそらく世界でも最貧国の一つだったかも知れません。
ただ、今振り返ればそれでも一番下ではなかっただろうと思います。
世界には、今でも当時の日本より貧しい国はいくらでも存在します。
さて、そのボロボロの日本ではありましたが、その後急速によみがえりました。
そのスピードと充実ぶりは、世界から見ても驚異的で、「奇跡の復興」と呼ばれたのです。
その経済復興の大きな起点となったのが東京オリンピックで、それが開かれたのが私が小学校6年生の時だったのでよく覚えています。
オリンピックから数年後、確か高校生の時、大阪万博がありました。
私は、オリンピックも万博も直接見に行ったわけではありませんが、あの頃の日本には、国民みんなで盛り上がる熱気がありました。
つづく