青春の彷徨、新宿ゴールデン街―無頼に生きる、がテーマだったあの頃―Ⅰ
さてここで突然ですが、「わしも族」という生態について考えてみようと思います。
定年退職後のご主人が、まるで濡れ落ち葉のように、なにかと奥さんにくっついていく様子が「わしも族」と呼ばれているらしい、というのはしばらく前に言われていた現象です。
ところで、SC(ショッピングセンター)で一緒に買い物をする年配の夫婦の場合、同伴しているご主人がみなさん「わしも族」なのでしょうか?
外から見た様子だけでは、なかなかわかりません。
はっきりしているのは、SCでのまとめ買いの場合、かさばったり重かったりするので、どっちにしろご主人がいた方が便利だろうということです。
駐車場までの荷物運び、家に着いてからの上げ下ろし、男手があった方が助かるはずです。
「わしも族」というのは、世代的に言えば、団塊の世代が定年を迎え始める以前、もう少し年配の男の人たちを指す言葉だったようです。
この世代の人たちは、日本の高度経済成長期の企業戦士であり、本当に仕事以外のことには不器用な人が多かったのではないか、と思われます。
さらに上の私の父の世代になると「わしも族」にすらなっていません。
奥さんにくっついていくというよりも「女はあまり出歩くな!」という方なのです。
つづく