お洒落黎明期・・・DCブームの時代―僕たちは確かにバブルの喧噪の中にいた―Ⅱ
昔、と言ってもおそらく1980年代半ばから終わりくらいにかけてのことだったと思うのですが、ファッションの世界で「DCブランドブーム」というのがありました。
「DC」というのは「デザイナーズ&キャラクターズ」という意味で、そのイニシャルを取ったものです。
つまり、レナウンとかオンワードとかの大手ファッションナショナルブランドではなく、個人個人のデザイナーやキャラクターが表に出た、どちらかといえば中小のアパレルブランドのことです。
このDCブランドが、何故か雨後の筍(たけのこ)のごとく数多く出現して、しかもそれが売れに売れたものだから、世間からものすごく注目された時代があったのです。
このとき、ビギやコムデギャルソンやヨウジヤマモト、タケオキクチやニコル、コムサデモードなどが表舞台に登場して注目されたのです。(何のことか、さっぱりわからない方もいらっしゃることでしょう。)
アパレル関係の仕事をやっていた訳でもない私が何でこんなことに詳しいかというと、ちょうどその頃、友人と立ち上げた会社を、新宿の新大久保から表参道や青山に近くい神宮前に移転したからなのです。
そのとき私たちは、老夫婦が大家さんの1軒屋の2階を借りたのです。
当時、下の階は女性用のバッグを作っている会社で、社長はポルシェに乗って景気が好さそうでした。
私達の会社は、そんな世界とは全く関係のないマーケティングリサーチの会社だったのです。
つづく