10年後に無くなる職業Ⅱ
更に極めて重要なのは、実際に「被害を受けている」ということと「被害者意識を持っているだけ」ということの間には大きなギャップがある、ということです。
現実に不当な差別を受けたり、陰湿ないじめを受けている人はその事実をギャアギャア言い募ったりはしません。
彼らにとって、ことはもっと深刻なのです。
実際には有りもしない「被害」を受けていると錯覚している者だけが勝手に「被害者意識」をもって騒ぎ立てるのです。
そして、この「被害者意識」という奴は、小は個人的な嫉妬心レベルから大は独裁者による国家支配まで、その及ぼす影響は時として巨大なネガティブパワーとなって、ほとんどの場合ろくな結果をもたらさないのです。
今回のコラムは、ひとつのTV番組でコメンテーターが放った「被害者意識」という言葉から随分長く書くことになりました。
おそらく、私なりに心の中で気になっていたテーマだったのだろうと思います。
改めて思います。
この「他者転嫁」「他者依存」をベースとする「被害者意識」というマインドは、主体性が欠落している割には意外な力を持っています。
私たちは、その地獄のようなパワーに取り込まれないよう常に心しなければならないのです。
おしまい