10年後に無くなる職業Ⅱ
この「被害者意識」を詳細に分析してみると、実にいろいろな場面でそれが見られるということに気が付きます。
小さいところでは、家庭においては、妻は
「主人はいつも自分の好き勝手なことばかりしている。」
と言い、夫は
「女房は俺の苦労がまるでわかっていない。」
と言います。
また職場では、上司は
「部下は私の意図をちっとも理解しようとしない。」
と思い、部下は
「上司は俺たちの努力が全く分かっていない。」
と思うのです。
業界では
「消費者は勝手なことばかり言ってなかなか買ってくれない。」
と言い、消費者は
「もっと安くならないのか。業者は儲けすぎているんじゃないの。」
と言います。
市民は
「政治が悪くて我々の生活は全然良くならない。」
と不満を募らせ、政治家は
「選挙民は我々を利用することしか考えていないから参ってしまう。」
と嘆くのです。
そしてこれが、独裁者ともなると莫大な財力や絶対的な権力を手にしているにもかかわらず
「国民は私の努力を少しも分かっていない。」
と勝手に思い込み、更なる残虐な支配体制を強化することになります。
つづく