突破できるのか、業界の常識というハードル―業界の常識は世間の非常識??―Ⅰ
当時私のオフィスは渋谷区神宮前にありました。
確かに、原宿駅と表参道と青山通りの3方向からほぼ等位置にあって、東京の中でも悪いイメージの立地ではなかったと思います。
若者だったら間違いなく憧れる場所でしょう。
しかし、キャリアも十分なビジネスマン、しかも丸の内のエリートサラリーマンに、そんなこと(「カッコいいですね。」などと)を言われるとは思ってもいなかったのです。
「丸の内の方がカッコいいじゃないですか。」
という私にM商事の彼は
「いやあ、この辺はお堅いばっかりでつまんないですよ。」
と答えました。
「いいなあ・・」とうらやましがる彼とその後仕事の話はスムーズに進みました。
そのとき改めて
「業種と会社の立地のイメージは大切なんだなあ。」
と感じたのです。
当時私の会社の名刺では、私たちの専門分野は「マーケティングやプランニング」といった、いわばソフト産業を謳っていたからです。
実はこの会社、友人と設立した当初、本社の所在地は新宿の新大久保でした。
地代が安かったからです。
つづく