青春の彷徨、新宿ゴールデン街―無頼に生きる、がテーマだったあの頃―Ⅰ
経営者がその重い責任を負う立場で、経営について「何とかしなければ」とあがくことと、孤独感を味わうこととは本質的に違うのではないだろうか、と思います。
私にとって「孤独感」を前面に出すのはなんだか女々しいような気もするのです。
仮に孤独感を感じていたとしても、何かの「会」に入ったからと言って、その孤独感が癒されるということは私の場合まずありえません。
私が「会」に何かを求めるとしたら、「実利」以外の何ものでもないといえます。
会の中であまりガツガツしてはいけない、とも言われましたが、逆に私はせっかく集まるのに「実利」以外に何を求めるのだろう、と思っています。
といっても、何かして貰うこと、こちらの儲けだけを考えているわけではありません。
例えば中小企業家同友会では、会員の或るグラフィックデザイナーと意気投合して、その後私の事務所のパンフレットを作ってもらいました。
私はまず彼の「顧客」となったわけです。
その代わり私は比較的リーズナブルな価格で、それまでとは比較にならないような素晴らしいパンフレットを手に入れることができた、と感謝しています。
私の言う「実利」とはこういうことなのです。
また、中小企業家同友会では、私が講師になってマーケティング勉強会なども主催させてもらいました。
手弁当での講師役でしたが、自らの意思で参加した熱心な受講生と一緒に、充実した楽しい勉強の時間を持つことができました。
これなども私の思う「実利」になります。
こういう勉強会から何か新しいビジネスが生まれればいいけどな、と思って取り組みました。
つづく