したたかな人生、祖母の思ひ出―この人だけは敵に回したくないと思わせる人―Ⅰ
【仕事の教訓Ⅱ】
この事件では山ほど教訓を得ました。
まず、法律の確認。
今でこそ、コンプライアンスはかなりきつく守られていますが、当時は少しナアナアの意識が強かったかも知れません。
しかし、これはきちんとやっておかないと大変なことになる、と肝に命じました。
それから、こういった場合、こちら側(クライアントであるN屋さん)にも向こう側(版権会社)にもとにかく誠意を尽くすこと。
絶対に逃げ隠れしないこと。
そうすれば何とか道は開けると思いました。
仮に駄目でも、それで当たり前であって責任は取らなければならない訳ですから。
それとトップが正しく対処しようとすれば、社員は一丸となってついてくるとも思いました。
私たちは、誰かのせいにしたり、大手であるN屋さんに下駄を預けたりしようとは全く思いませんでした。
版権会社に対して、一貫して「責任は我々が取ります。」と言い続けたのです。
あの時、逃げ出したり誤魔化そう誤魔化そうとしたらどうなっていたか・・・わかりません。
とまあカッコイイことも書きましたが、本当は気分的には逃げ出したいときも多々ありました。
賠償が払えなくて刑務所に入ることになったら家内と子供が可哀想だから先に離婚しておこうか、なんて訳のわからないことも頭をよぎりました。
SP(販売促進)の仕事は、マーケティングリサーチに比べて比較的短期で大きなお金が動くので魅力的ではありました。
しかしながら、そのノウハウが自分たちの成長に大きく繋がっていくという実感はありませんでした。
後半マーケティングの仕事が増えてからは、こっちの方の案件は徐々に減っていきました。
つづく