顧客と向き合う、ということⅢ(おしまい)
約20年前、鹿児島に帰って税理士を始める以前は、東京で友人と作った会社を経営していました。
吹けば飛ぶような小さな会社でしたが、資格にも何も頼らずに自力で運営していたのです。
この「自力でやる」というのは、若造が始めた事業を行なっている以上誰に頼る訳にもいかないので、至極当り前のことだと思っていました。
エラそうに書くのも恥ずかしいくらいのことですが。
またこの言葉は「顧客と真っすぐ向き合う」という意味でもあります。
営業をかけて受注が取れたら、顧客のために全力でその仕事をこなす。
シンプルにこのことだけを繰り返していました。
まだ若かったけれど、誰に教えられるでもなく、事業を成り立たせてくれるのは顧客でしかない、という当たり前の事実を心底肝に命じていたのだと思います。
ところが、鹿児島に帰って周りを見渡すと必ずしも顧客と向き合うばかりでは済まないということに気づかされました。
特に税理士の場合、役所(=税務署、中小企業庁)、業界(=税理士会)、各種団体(=会計ソフトユーザー会、経済同友会、倫理法人会、など)、地域社会(商工会、法人会、銀行の社長会、ロータリークラブ、ライオンズクラブなど)等々、顧客以外のものにもかなり気配り目配りをしなければならなかったのです。
つづく