無気力症候群で家事や部活にやる気がでない。そんな時の考え方や対策は?
家事へのやる気、部活動への意欲がわいてこないのは無気力状態のせい?
家事や仕事で忙しい日々を送る中、体に目立った不調があるわけではないけれど、例えば、こんな状況に陥っている人、女性はいないでしょうか?
「家事をする元気が出ない」
「仕事への意欲がわいてこない」
「休日はやることがいっぱいなのに何もしたくない」
また、学生であれば
「部活がおもしろくなくなった」
「練習をする気になれない」
「以前のようにがんばれなくなった」
部活動に対するモチベーションだけでなく
「朝、なかなか起きられない」
「授業中に集中できず眠気に襲われる」
「学校に行ったり、勉強したりする意味がわからない」
こういった気持ちの人もいるでしょう。
上記のような場合、「やらなければならないことに対して、全くやる気が起こらない」「関心が持てない」「仕事(部活や勉強)の目標を設定することができない」「感動したりワクワクしたりする気持ちがわかない」といった無気力状態になっていると考えられます。
目標などをなくし無気力状態に陥るのは心の正常な反応
ストレス社会とも言われる現代において、一時的に無気力になるのは誰にでもあることです。
「家事に精を出してきたけどやりがいが感じられない」「仕事などで思うような成果を上げられなかった」など、自分なりに努力をした結果が自分の求めるものと違っていたとき、多くの人は目標を喪失して無気力状態に陥ります。
家事や仕事だけでなく、大切な人と別れ失恋をしたときも家の用事や仕事、勉強に手がつかず気力を奪われることがあります。
また、部活動で試合に向けて必死に練習したり、大学合格などを目指して懸命に受験勉強をしたり、目的を達成したことで燃え尽きてしまい、次の目標が見つけられず無気力になってしまうこともあります。
無気力状態は、心の正常な反応ともいえるもので「欲求が満たされない」、また「欲求を満たすための目標を喪失してしまう」というストレスから、自分の心を守ろうとする反応なのです。
無気力な状態が慢性化すると無気力症候群に
ほとんどの場合、無気力状態は時間の経過や状況の変化に伴って解消されます。しかし、この状態が長く続き慢性化した状態を「無気力症候群(アパシー・シンドローム)」と言い、価値観や生活様式が多様化した現代社会において、この無気力症候群で悩んでいる人は想像以上に多いのです。
無気力はうつ病の症状の一つとして知られていますが、無気力症候群はうつ病とは異なるものです。
無気力症候群には、うつ病の代表的症状である不眠や気分の落ち込み、焦燥感といった症状は見られません。また、やるべき事柄以外の興味のある分野であれば意欲的に取り組めるケースもあり、まわりから見ても本人が無気力状態で悩んでいることに気付けないことが多いのです。
本人も「治療を要する状態である」といった自覚に乏しいので、そのまま放置してしまう傾向にあります。しかし、この状態が長く続くと、うつ病などの心の病気に進んでしまう可能性があるので注意が必要です。
無気力症候群にはまじめで素直な性格の人が陥りやすい
極端な言い方かもしれませんが、
「上司の叱咤激励に応えるためにがむしゃらに仕事をこなし、管理職に昇進して指示をもらう相手がいなくなった途端に何をすればいいかわからなくなった」
「親や教師に言われるままに部活の練習に取り組んだり、高校・大学受験の志望校を決めたり、言われるままにがんばってきた人」
というように、自分の意思で目標を設定することに慣れないまま成長した人に多く見られます。また、主婦などであれば「家事をそつなくこなすことが自分の役割だと思ってやってきたけれど、誰かにほめられることなく、感謝されることもなかった」といった人もいるでしょう。
こういった人たちは物事に一生懸命に取り組むがんばりやさんで、完璧主義の傾向もあります。一般的に、まじめで素直な性格と見られる人が無気力症候群に陥りやすい傾向にありますが、このような性格は決して悪いものではありません。
しかし、先にも述べたように無気力が長期にわたるようではメンタルに不調をきたす場合もあります。深刻な状態にならないように、予防策を立てていくことが大切です。
無気力症候群を防ぐには自分に向き合い理解することが大切
無気力症候群に陥らないためには、自分自身が「現在の自分の性格を理解し、変わろうとする気持ちを持つこと」が大切です。
性格を変えていくことは、決して簡単なことではありませんが不可能なことでもありません。可能であればカウンセリングを受けるなど、自分を客観的に見る方法を学ぶのも有効です。
無気力になっている人は、まず次のようなことを考えてみてください。
気づけばストレスの多い環境下に身を置いていないでしょうか?
自分の能力以上の業務を課せられ、結果が出せないということを繰り返していないでしょうか?
自分が何をしたいのか、どうすべきなのかということを見失っていないでしょうか?
明確なビジョンではなく、人に褒められたい、認められたいということが大きな目標になっていないでしょうか?
ストレス、責任感、スキルなど自分の現状について整理を
大きなストレスを抱えていたり、何かをやり遂げた後で気力がわいてこないのであれば、いったん休止して心身を休める時間が必要です。「休む」という勇気を持ちましょう。常に走っている状態では息切れがしてしまいますので、燃料補給のつもりで休憩をとり、リフレッシュを試みてください。
家事や部活動、また仕事において、自分のやるべきこととして抱え込み、過剰に責任を感じたり、自分を責めたりするのもよくありません。
責任を持つことと、自分のせいだと思い自分を責めることは違います。責任の領域をきちんと分け、自分の領域に対して対処できるように策を講じていきましょう。何もかもをすべて、自分で背負うことはできません。
部活動などにおいて、「自分はチームのためになっていない、迷惑をかけている」と自分を否定しているケースがあります。これは責任感が強いからこその感情だと思います。十分すぎるほどがんばってきた自分を認めていきましょう。
すべてを抱え込むことにつながりますが、やることが多く、漠然としていると何から始めればいいのかわからず、途方に暮れてしまいます。まず何から始めるのかを決めましょう。このとき、確実にできる範囲のことを設定し、取り組むことが大切です。
家事であれば「欲張らず今日はキッチンだけきれいにしよう」、学校生活であれば「部活を引退し勉学に励むにあたり、まず英単語の本を購入しよう」でもいいと思います。
仕事においては、責任のあるポジションに就いていると少し抵抗があるかもしれませんが、「どれから始めるのか、優先順位については上司や同僚に相談してみる」というのもいいでしょう。無理をせず、素直に自分の現状を伝え、アドバイスを求めるのは悪いことではありません。
また、自分のスキルに見合った課題かどうかを見直し、整理することも大切です。自分に課されていることをすべて請け負うのではなく、スキルが伴わないことは思い切ってほかの人に任せることで、自分の仕事に集中し効率を上げることができます。
まとめ
大切なのは、一つの目標を達成したら次の目標設定をするなど、一つずつきちんと終えてから先へと進めていくことです。あれもこれも手をつけると、結局、どれも完了しないままになります。そうなると思考が雑然として考えがまとまらなくなり、無気力に陥ってしまいます。
無気力症候群にならないようにするには、「自分はどのような人生を歩みたいのか」「どんな仕事をしたいのか」と、自分を見失わないよう自分と向き合うことが大切です。そして自分で考えて目標を見つけ、目標を達成するための方法を自分で選択する心のたくましさを育てることも必要です。
心理カウンセリングで心を癒やす心理カウンセラー
西尾浩良さん(西尾心理療法指導室)
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