新成人に贈る「粋な大人のお酒の楽しみ方」
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飲み方は基本的にノールール。ただ、他人に迷惑かけないように
日本での「飲酒」は成人式が区切りではなく、法律上、20歳の誕生日を迎えてからです。成人して「どのようなお酒の飲み方をすると楽しいのか?」そして「かっこ良いのか?」についてお話します。
お酒は趣向品です。飲み方は、基本的には「ノールール」。しかし、人として守るべきことは「他人に迷惑をかけないこと」。飲んで騒いで他の客とケンカをしたり、トイレで酔いつぶれたり…。街中でよく見かける光景です。アルコールで脳みそが麻痺してくると本能的な行動が出てきて「良からぬこと」を行うこともあり、記憶も定かではないところで「やらかして」しまいます。
なぜ、「やらかして」しまうのか。それは、酔いで最初に麻痺するのは理性的行動の部分だからです。そこが機能しなくなると、人間の本能をつかさどる部分が表に出てきてしまいます。悪酔いすると、「せっかくのあなたの評判を落としてしまう」なんてことにもなりかねません。くれぐれも、飲み過ぎには注意しましょう。
若いうちに適量を知り、水を片手に気心知れた仲間とお酒を楽しむ
最悪な状態にならないための対策は、自分の適量を知ることです。「これ以上飲むと記憶がなくなり、寝てしまう」「具合が悪くなる」といった限界を若いうちに知っておきましょう。弥生人系といわれる純然たる日本人は、本来はアルコールに弱い人種です。飲むと顔が青くなるような完全に飲めない人から、ピンク色の肌に変わるような人まで入れると、60%以上の人がもともとお酒に弱いのです。パッチテストなど受けて、自分の体質を知っておくのも良いでしょう。
飲めない人にお酒を強要するのもNG。一気飲みなどは論外です。アルコールは胃で約20%、小腸上部で80%が吸収され、時間にして30分~90分位で体内にまわります。空腹で飲むと、腸へ行くスピードも上がり、酔いが速まります。特に炭酸系のアルコールは、胃での吸収率が高いため、酔いが加速します。
また、アルコールは体温に近くなると吸収速度が一気に上がるため、冷たいお酒を飲むと酔うまでにタイムラグが発生するのです。グイグイと飲んでしまうと、自分が思っている以上に飲みすぎてしまって、急に酔い出すこともよくあります。適度におつまみを食べながら、ゆっくりと美味しくいただきましょう。酔いを抑えるために何より大切なのは、「水」をいっぱい飲むことです。洋酒なら「チェイサー」、日本酒では「和らぎ水(やわらぎみず)」と言います。二日酔いで頭がガンガンする原因に「脱水症状」もあります。お酒を飲んで寝ると、喉がカラカラになるのはそのためです。それゆえ、お酒のお供は「肴(さかな)」と「水」と言えるでしょう。
そして、楽しい飲み方の何よりのポイントは「誰と飲むか」です。気心の知れた仲間との程よい量が、楽しいお酒につながります。
二日酔いに頭痛薬を飲むのは逆効果。特効薬は「反省」
二日酔いのときは、水分をいっぱい取って静かにしていることが一番。アルコールは分解されると、肝臓でアセトアルデヒドという物質に変わります。このアセトアルデヒドは血管を拡張させる働きがあり、頭が痛くなる要因のひとつなのです。体内の内臓機能が動き出してくると、最終的には水と二酸化炭素に変わり体外に排出され、時間とともに二日酔いは楽になってきます。
コーヒーや緑茶などは、血管を収縮させるため効果的ですが、頭痛薬を飲むのは逆効果です。また、熱いお風呂などは血管を拡張させ、頭痛を長引かせる可能性があるので、オススメできません。特効薬があるとすれば、それは「反省」です。安静にしながら自らを省みる。これが何よりの薬ではないでしょうか。「酒は百薬の長」と言います。無茶な飲み方はかっこ悪い。楽しく健康的に「大人のお酒ライフ」を送りましょう。
北海道産酒や全国の国酒の良さを発信するきき酒のプロ
鎌田孝さん(合同会社タックドゥープランニング)
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