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骨が折れたなと思ったらすべき事は何か 冷やし過ぎは良くない?

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運動や睡眠の不足は集中力を欠き骨折や脱臼を引き起こしやすい

テレワークをする人が多くなりました。通勤時間がなくなり時間が出来たにもかかわらず、運動不足になっている人が多く見られます。日頃運動する習慣がない人や運動に苦手意識がある人は、夜型にシフトして睡眠の質が悪くなっている人も少なく無いように思います。全く運動しない人や睡眠時間が6時間に満たない人は、集中力を欠きやすいため、不用意な行動をする傾向にあり、骨折や脱臼を伴う大けがをする人が増加傾向にある印象です。睡眠する時間帯は22時から7時くらいの間に約7時間30分くらいが理想的です。自宅でデスクワークをしている人は、毎日5分程度の運動がお勧めです。

骨が折れたらどうなるの?素人がわかる診断法は?

骨が折れると、折れたところが局所的に集中してものすごく痛くなります。触ると耐えがたい痛みが発生します。これだけで十分骨折と判断してよいと思います。捻挫や打撲の経験がある人なら、「今までと違う痛み」という言葉で十分形容できます。また、怪我をした直後5~15分以内に見る見る腫れあがったらまず骨折を疑って良いと思います。ただし、10歳以下の子供はポキッと折れませんので、上記に当てはまらない事があります。また、ヒビがはいった程度や高齢者の場合、痛みを強く感じない・腫れないということがあります。そんな時は、末端部から身体の中心に向かって叩いてみてください。たとえば、指だったら爪先から人差し指を使ってはじくようにして軽く“とんとん”と叩きます。前腕の骨だったら手首を曲げて相手の手のひらをひじに向かって“とんとん”と押すように叩きます。上腕の骨だったら肘を肩に向かって手のひらで垂直に“どん”叩きます。この検査で痛いようなら骨折を疑います。ポイントは、直角に叩く事です。個人的には100%に近い簡単な検査法だと認識しています。

骨が折れた時冷やし過ぎは厳禁です 約4℃くらいの冷水をしみこませたタオルを当て専門医を受診しましょう

骨折した部位は、炎症を起こします。炎症とは、疼痛・発熱・発赤・腫脹を伴った現象です。骨折直後は腫れて熱を持ちますので、ズキズキした痛みを抑えるためには、骨折部を冷やす必要があります。そのため、来院時に氷が入った袋を患部に当ててくる人は少なくありません。一見適切な処置のようですが、冷やし過ぎると骨折部の感覚がなくなるために痛みがなくなる反面、支える筋肉の働きが悪くなるため、転位(折れた骨の位置が変化)しやすくなります。骨折部は骨折直後の状態のままで受診することが理想的です。冷やし過ぎは損傷部位が広がる恐れを生じますので、要注意です。骨折直後は、約4℃くらいの水をしみこませたタオルを適度に絞り患部に当てることが適切な処置の一つです。骨折部がぐらついているときは、添え木を使用して患部を固定することも重要です。

骨折が疑わしい時の判断法はある?飲酒や入浴をすると痛みが増悪するようなら骨折

骨を折ったことのある人は「折れたな」とわかるものですが、初めての場合は半信半疑なものです。疑わしい時は、すぐ専門の医療機関を受診される事をお勧めいたします。骨折の処置は、早ければ早いほど予後(あとあと)がいいからです。骨折の程度が軽い時や我慢強い方は、けがの状況を安易に考える人も少なくありません。私は、40年近い臨床経験に基づき、素人が骨折か捻挫かの違いを判別する簡単な方法を患者様に伝えています。それは、酒を飲んだとき、ズキズキしてくると骨折で、痛みが和らぐと打撲か捻挫だという事です。酒の量が多くなると骨折部を中心に腫れあがります。大抵の人は、飲酒を中断します。湯船に入っても同じ現象が生じます。骨折直後は、血行が良くなるか身体が温まると痛みが増強するということを意味しています。患部を自然に冷やしたくなるようなら骨折を疑えという事です。ちなみに脱臼も同じ現象を生じます。

骨折を確信したら6時間以内の受診が理想的です

骨折だと思ったら、すぐ専門医を受診ください。骨折を治す方法は、外科手術です。外科手術は、整形外科医が行う観血療法と柔道整復師が行う非観血療法があります。整形外科医が観血療法をするかしないかを迷う時は、以下の状態が考えられます。

1. 1本の骨が1箇所で折れた際、転位が著しい(折れた1か所の骨の端と端が遠く離れている)とき(単数骨折)
2. 1本の骨が2箇所で折れた際、転位が著しい(折れた2か所の骨の端と端が遠く離れている)とき(複数骨折)
3. 1本の骨が3箇所以上で折れた際、転位が著しい(折れた3か所の骨の端と端が遠く離れている)とき(重複骨折)
4. 2つ以上の骨が同時に折れた際、転位が著しい(折れた骨の1か所または2か所の骨の端と端が遠く離れている)とき(多発骨折)
5. 骨折を2週間以上放置した場合(肉芽組織の混入)

骨折は早い段階で処置をしないと、折れた骨と骨の隙間に筋肉等の組織が入り込んで骨の癒合が困難になり、観血療法が必要になる場合がありますが、多くの骨折は、2本の骨が少しでも接していると癒合します。整形外科医が観血療法による外科手術をしなくても癒合すると判断した時は、非観血療法による外科手術である徒手整復術をご検討ください。徒手整復術を行うと、術後すぐに痛みが止まります。骨折の治療を行う時期が早ければ早いほど、元に戻る確率が高くなります。1時間以内であれば、左程痛みを感じることなく骨折部位を元に戻すことが可能です。6時間以内に治療を開始すれば、順調な回復が期待できます。骨の癒合は早まり、処置後に痛みを伴わなくなる治療法です。徒手整復術(非観血療法)による治療が可能かは、お近くの整骨院・接骨院にいる柔道整復師にご相談ください。

清野充典

東洋医学と西洋医学の融合を目指す鍼灸師・柔道整復師

鍼灸師

清野充典さん(清野鍼灸整骨院)

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