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消毒用アルコールに潜む火災危険性について

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使用機会が増えている消毒用アルコールの火災危険性

新型コロナウイルスの感染拡大により、使用機会が増加している消毒用アルコール。この火災危険性について、総務省消防庁が、注意喚起を促す通知を令和2年3月18日付けで発出しました。また、医薬品及び医薬部外品たる消毒用のエタノールの需給が逼迫している中、先週、厚生労働省が、消毒用アルコールの代用品として、アルコール度数の高いお酒を認める旨の通知を4月10日付けで発出しました。アルコールといえば、消毒用から食用まで広く我々の生活に関わっているが、意外とそこに潜む危険性への認識は低いのではないでしょうか。実はアルコールの中には、消防法に定める危険物の第四類アルコール類(重量パーセント濃度が60%を超えるもの)に該当するものがあり、火気により引火しやすく、また、消毒用アルコールから発生する可燃性蒸気は空気より重く低所に滞留しやすい特徴があります。そのため、多量に取り扱う場合には十分な換気が必要であるなど、火災予防対策には十分留意する必要があります。

消毒用アルコール使用上の注意点

消毒用アルコールの火災予防対策として注意すべき主な点は以下のとおりです。

① 消毒用アルコールの使用は、火気の近くでは行わないこと。
② 室内の消毒や消毒用アルコールの容器詰替え等に伴い、可燃性蒸気が滞留するおそれのある場合には、通風性の良い場所や換気が行われている場所等で行うこと。また、密閉した室内で多量の消毒用アルコールの噴霧は避けること。
③ 消毒用アルコールの容器を設置・保管する場所は、直射日光が当たる場所や高温となる場所を避けること。
④ 消毒用アルコールを容器に詰め替える場合は、漏れ、あふれ又は飛散しないよう注意するとともに、詰め替えた容器に消毒用アルコールである旨や「火気厳禁」等の注意事項を記載すること。

【東京消防庁実験映像】
消毒用アルコールによる火災の危険性 
ウォッカ等のアルコール濃度の高い酒類による火災の危険性  

 
また、アルコール火災のもう一つの危険性として挙げられるのが、アルコールに引火した炎は、特に明るい場所では見えにくいということです。引火しても気づかないこと、これがまた危険因子となります。
これによって、2013年には、消防団員が消防訓練時に10人以上の負傷者を出す火災を引き起こしています。この火災は、屋外の明るい場所で消防団員が訓練用のオイルパンの火が消えているものと思い込み、当該オイルパンにアルコールを継ぎ足したことにより発生したものです。新型コロナウイルスは目に見えないものであるが、皮肉なことに消毒用アルコールの炎も肉眼では見えにくいのです。また、当該危険性から、危険物に該当するアルコール類については、消防法で指定数量(400L)が定められており、これ以上の量のアルコール類を貯蔵したり、取り扱ったりする場合は、市町村長等の許可が必要になるほか、指定数量未満においても市町村の火災予防条例の基準に基づいた取扱い等が必要になる等、多くの規制がかかります。新型コロナウイルス感染症の発生に伴う消毒用アルコールの需要の急増に伴い、特に製造企業や医療、福祉関連の各種事業所においては、保管・使用が増加することへの留意が必要なのです。

中野秀作

消防庁での業務経験を生かした防火防災の総合コンサルのプロ

防火防災コンサル

中野秀作さん(Nプラスコンサルティング株式会社)

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