キャッシュレス決済の種類、ポイント還元のメリットは?迷える中高年に向けて仕組などを解説!
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2019年の消費税増税に伴ってキャッシュレス決済のポイント還元が実施されました。それまでのクレジットカードやICカード、プリペイドカードに加え、スマホのアプリによるQRコード決済が飛躍的に進み、スーパーやコンビニだけでなく、キャッシュレス決済対応の店舗が急速に増えています。
国では、ポイント還元終了後も、2025年の大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)に向けて普及を進める方針で、この流れはますます加速していくと考えられます。
一方で、アプリによるQRコード決済では、あまりに多くのサービスが乱立したうえ、短期間でのアプリの統合や廃止などもあり、決済や還元の内容も多種多様で、何がお得なのか見極めが難しいという声も。派手なキャンペーンに踊らされたと思えば、不具合のニュースが流れたりと、落ち着く気配がないまま、初動の様子見で出遅れていた中高年の中には、利用への抵抗感がぬぐえないという人も多いようです。
とは言え、過去の携帯電話やスマートフォンの普及を振り返ると、大幅なキャッシュレス化も時間の問題で、その波に逆らえないのは一目瞭然。世代間格差を今のうちに埋めて、一日も早く日常生活に取り入れる努力を始めるべきなのでしょうか。
セキュリティーの問題など、デメリットも含めた上での利用方法、使いこなす際の注意点などを、ファイナンシャルプランナーの平原憲治さんに聞きました。
キャッシュレス決済の第1位はクレジットカード、後払いに抵抗がある場合はチャージタイプから始めてみるのもおすすめ
Q:キャッシュレス決済とは、整理するとどのようなものがありますか?
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支払いの際に、現金のやり取りではない方法で行うのが「キャッシュレス決済」です。以前から多くのシーンで使われているものと、近年普及が進んでいるスマートフォンのアプリを使うものがあり、特に中高年層では混乱する人も多いようです。
簡単に整理してみると以下のようになります。
・プリペイド:前払い(チャージタイプの交通系ICカード、nanaco、Edyなど)。
・リアルタイムペイ:即時払い(デビットカード、銀行引き落とし)。
・ポストペイ:後払い(クレジットカード)。
・スマートフォンのアプリを使うQRコード決済:各タイプの決済方法の組み合わせ。
Q:店舗で買い物をして、QRコード決済で支払いをするときの具体的な手順を教えてください。
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スマートフォンでアプリをダウンロードし、アカウントを作成、クレジットカードなど支払い方法の情報を登録しておきます。事前チャージの前払い形式のものはチャージをしておきます。お店の人に「◯◯ペイで支払います」と伝えてアプリを見せ、QRコードを表示させるか、お店側のQRコードをスキャンして決済完了です。
慣れれば使い方はシンプルですが、「◯◯ペイ」の種類が多すぎるのが難点です。
導入開始直後は、店側の対応もまちまちで、アプリの名称も伝わりにくいようでしたが、日を追うごとに理解が進み、おおむねスムーズな決済が実現しているようです。
Q:今のところ、QRコード決済の普及はどの程度進んでいるのですか?
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最近の調査では、日本ではキャッシュレス決済の中におけるQRコード決済の普及率は2割程度。その中では、今のところPayPayの利用率が高いようです。
全キャッシュレス決済サービスの利用率
1位:「クレジットカード」(84.8%)
2位:「PayPay」(37.2%)
3位:「WAON」(34.7%)
4位:「nanaco」(32.7%)
5位:「プリペイドカード」(32.6%)
(日経クロストレンド 47都道府県キャッシュレス決済普及率ランキング2020)
諸外国と比べると、日本の普及率が大きく立ち遅れているように見えますが、イタリア、ドイツ、スペインなど南欧は日本と同様、現金が主流ですし、アジア各国でも、韓国ではクレジットカード、中国ではQR決済が主流であるなど、普及の仕方はまちまちです。
キャッシュレス決済比率の状況
韓国89.1%
中国60%、
カナダ55.4%、
イギリス54.9%、
オーストラリア51%、
ドイツ14.9%
(経済産業省 キャッシュレスビジョン 各国のキャッシュレス決済比率の状況 2015年)
特に韓国では、クレジットカードの年間利用額に対する所得控除や、宝くじの権利付与を実施するなど、国策としてクレジットカードの普及率を高めたという事情があります。
日本国内では、世代間・地域によって違いがありますが、国やその背景によっても広がり方が違います。
Q:普及促進のためのポイント優遇が終わったあとのメリットとしては、どのようなものがありますか?
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もともと潜在的にあるキャッシュレス決済の大きなメリットは、現金払いでは貯まらないポイントが貯まる点だと言えるでしょう。
商品やサービスを利用し、それに対する対価を支払うと同時に、各社からのポイントやクレジットカードからのチャージによるポイントなどがつく「常時ポイントの優遇」があることです。
同じ対価を支払う行為でも、現金払いではこうしたポイントは一切つきません。
もうひとつ、忘れてならないキャッシュレス決済の最大のメリットは、決済に関わる時間が大幅に短縮されるということです。
日々の決済時間はわずかのように思えても、支払いのたびに「バッグから財布を捜す」「現金を出す」「おつりをもらう」といった行為にかかる時間は、積み重なると、意外に大きなものです。こうした手間が必要ないとなると、他に使える時間が増えることになります。
店側にとっては、決済手数料がかかるデメリットはあるにしても、決済スピードが上がることで人件費削減になるほか、飲食店であれば客の回転数が上がることにもつながるでしょう。
Q:いまだに利用に踏み切れない人には、どんな理由があると考えられますか?
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セキュリティー対策の不安や、複雑なポイントについて知識がついていかないという人も多いようですが、そもそも、決済の方法がわからないという人がほとんどではないでしょうか。
日本人の国民性のようなものかもしれませんが、いまだにクレジットカードなどによる「後払い」というものに抵抗がある人が多いようです。
そんな人には、PayPayやメルペイのように銀行口座から直接チャージできるタイプなどからスタートしてみるのも一つの方法です。
インターネットのセキュリティーや個人情報開への抵抗感を軽減し、正しい知識を得るためには、国が主導して教育の機会を作っていく必要があるでしょう。
例えば、市役所などで定期的にセミナーを開催する、店舗で企業担当者などが直接手続きのサポートをするなど。実際に地方の商店街などでも開催されており、利用への関心が高まっているのも事実です。
今後の普及には、こうした教育の機会を創出することが不可欠です。
Q:今後、キャッシュレス決済を生活の中に取り入れていく際に注意すべきことは?
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いくら便利と言っても、スマートフォンのQRコード決済だけに決済方法を集約すると、スマートフォンを紛失した場合、とても面倒なことになってしまいます。
何よりセキュリティーは常に万全にしておく必要があります。
生体ロックをかけたり、アプリ起動にパスワードをかけたりと、本体そのものに対して管理しておくことはもちろんですが、決済方法を複数にしておくことも有効です。
スマートフォン(QRコード)やカードタイプ(Suica、パスモ、nanako)、クレジットカードなど、いろいろ組み合わせておくと、あわてずに済むでしょう。
また、あまりに多くのキャッシュレス決済が乱立していて、何を選べばいいのかよくわからないという声もあります。まずは、自分の生活圏で、なるべく活用の機会が多く、さらにポイントなどを集約しやすいものを選ぶことです。
例えば以下のように、同系列のサービスを選ぶと、別々に使っても同じポイントが貯まるので、利便性が増すはずです。
楽天ポイント:楽天市場、楽天カード、Edy、楽天ペイ、楽天銀行
Tポイント:ヤフーショッピング、ヤフーカード、PayPay、ジャパンネット銀行
WAON POINT:イオンカード、WAON、イオン銀行
自分の生活圏内で、頻繁に利用する店舗などがあるなら、そこでポイントが貯まりやすいサービスから始めてみて、賢くキャッシュレス決済を取り入れましょう。
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