修繕積立金不足の中古マンションを見分ける3つのポイント
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中古マンションの修繕積立金は大丈夫なのか
日本に「マンション」という名前の集合住宅ができて約60年。新築当時はピカピカの建物でも、建物はメンテナンスが必要です。給排水管などの設備の更新は15年ごととか、屋上の防水や外壁の修理、エレベーターもいずれ取り換えが必要、コンクリートもひび割れてきます。60年たてばそろそろ建て替えの声も聞かれる頃でしょう。
そんな定期的なメンテナンスの費用を賄うのが、住人みんなで費用を出し合う「修繕積立金」です。新築マンションが高騰した現在、人気は中古マンションに移っています。そしていま、中古マンションの「修繕積立金不足」が問題になってきました。
積立金は徐々に値上げしないと不足するようにできている
実は、新築マンションは最初から修繕積立金が不足する仕組みになっています。新築マンションのチラシには、必ず修繕積立金の金額が明示されているでしょう。修繕積立金には、マンションの購入と同時に数十万円ほど積み立てる「一時積立金」と、毎月払う通常の積立金の2種類があります。最初のうちは毎月数千円の積立で、そんなに負担にはなりません。
しかし、そこに大きな落とし穴があります。マンションを購入した時の資料を隅々まで見ると、「将来の修繕積立金のモデルケース」という資料がありませんか?そこには、購入時、毎月2千円だった修繕積立金は、年を追うごとに3千円、5千円、1万円、1万5千円…と値上げしたらどうでしょう?と提案しています。これは、マンション購入者への大事なメッセージなのです。販売会社はマンションを販売したらそれで責任は終了、分譲後のマンションは住民みんなで管理組合を作り、そこで維持修繕しなければなりません。「将来の修繕費を賄うには、修繕積立金をこのくらい値上げしないと追いつきませんよ。」と書き残しているのです。
つまり、修繕積立金は管理組合の総会で定期的に決議して値上げしないと不足する運命にあるのです。そのことをちゃんとわかっている人は、ほとんどいないのが実情ですし、マンション販売会社の営業マンも、都合の悪いことは言わないでしょう。
積立金不足のマンションを見分ける3つのポイント
積立金不足の中古マンションを購入したら、買った後が大変です。そこで、そんなマンションを見分けるポイントをいくつか紹介しましょう。
1.住民の年齢層に気を付ける 高齢者が多いと要注意
高齢者の多いマンションは、「自分が生きている時だけ何とかなれば・・・」と逃げ切りを目指します。高齢者は収入も低く、行動力、認知力も衰え「わざわざ高いお金をかけて修繕しなくてもいいんじゃないか?」となるのです。
そんなマンションは、必要な修繕が行き届かず、幽霊化してしまいます。また、外国人が多いマンションも、日本独自の修繕積立金の仕組みそのものがわかっていない可能性があるので、要チェックです。
2.ポストに残るチラシや植え込みの手入れで管理レベルを推測する
積立金不足は管理レベルで推測できます。中古マンションはオートロックでないものも多く、管理不全のサインはまず、エントランスのポスト付近のチラシに現れてきます。その他、庭木の植え込みの手入れが不足も要注意のサインです。
積立金が不足すると、そういったところの管理にお金が回せなくなり、景観などにも影響が表れてきます。
3.スローガンやのぼりの存在 住民同士が対立していないか
「日照権の確保を!」とか、「管理費を持ち逃げする管理会社を許さない!」とか、「高層建築反対!」といった掲示物、張り紙、外壁いっぱい使ったのぼりがあれば、住民同士が分裂している可能性があります。そんなマンションは、住民みんなで責任もって修繕しようという意識が芽生えるわけはありません。
中古マンションの購入を検討されている方は、こういった点に注意して、安心して生活できるマンションを選びましょう。
プロもうなずく不動産のプロ
中山聡さん(わくわく法人 rea 東海北陸不動産鑑定・建築スタジオ株式会社)
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