Jアラート情報 個人や企業はどのように対応すれば良いか?
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Jアラートの目的は、私たちの命を守ること!
Jアラート(全国瞬時警報システム)は2007年から運用が始まり、その役目を充分に果たしていましたが、今回のミサイル発射のケースで大きくクローズアップされることとなりました。
しかし、今回のJアラートに対して、「北関東から北海道までと飛来予測範囲が広過ぎる」や「頑丈な建物や地下に避難して下さい!と言われてもそんなものはない」そして「通過した後で意味がない」等の批判がありました。
この批判は、このシステムの目的がきちんと理解されていないために出たものと考えられます。Jアラートは、緊急事態の発生をいち早く国民に知らせるためにあり、早く知らせることで「命を守る行動」を起こすことが目的です。ミサイル発射だけに目をとらわれずに全てのJアラート情報の活用方法を考えましょう。
Jアラートは、危機管理そのもの
前項で、Jアラートの目的が「命を守る行動」を起こすことと書きましたが、その点では、危機管理と一致します。
危機管理を簡単に定義すると「緊急事態、すなわち危機(Crisis)に際して、サバイバルが可能であるように事前に準備を行うこと」となります。「サバイバルが可能」とは「生き残ること」ですので、個人の場合は命を守ることであり、企業の場合は経営破たんや倒産に至らないこととなります。
つまり、「危機管理」とは、個人や企業が危機から如何に生き残るかであり、次の2つを行うことを指します。
- 1.重大な事柄のリストアップ
- 2.それらから生き残るための「事前準備」
このことを理解した上で改めてJアラートで伝達される情報を見てみましょう。
《Jアラート情報》 全部で24種類あり、大別すると次の5つ。
- ①地震情報
- ②津波情報
- ③火山情報
- ④気象情報
- ⑤有事関連情報
いずれも私たちの命に係わる事柄であり、危機管理で行う2つの内の1つである、「重大な事柄のリストアップ」は国が既に行ってくれていることがわかります。従って私たちが行うのは、2つ目の「生き残るための事前準備」ということになります。
事前の準備が大前提
危機管理の考え方からも分るように、Jアラートが発信されてから何をするかを考えても遅く、事前準備が大切です。前項で挙げた、5つの情報に対する個々の準備はそれぞれに異なります。又、住んでいる地域の特性によっても違ってきますので、先ずは5つの情報の優先順位を決めて、優先順位の高いものから準備をしましょう。
全てに共通するものを以下に挙げてみますので、これだけでも実行して下さい。
- 1.食糧、飲料の備蓄:7日間分~10日分
- 2.非常用持ち出しバッグの準備: 子供用、女性用の備品を忘れずに
- 3.避難場所、経路の確認:災害の種類で(津波、大雨、噴火など)避難場所は異なる
- 4.家族間での確認:安否確認方法、避難場所、集合場所
- 5.情報収集:アンテナを張って情報を集める、知識を吸収する
企業での対応 ~危機管理に関する研修~
企業での対応ですが、個人の危機管理だからと言って社員に任せて置くのは良くありません。社員は企業の財産です。その財産が失われないようにサポートをしましょう。社内研修もその一つです。
危機管理の考え方やJアラート情報を例に事前準備や事が発生した場合の「命を守る行動」を考える研修を実施して下さい。危機管理研修と言うと堅苦しく敬遠されがちですが、自分自身や家族の命を守る事をテーマに仲間とディスカッションしながら行うと色々な考えやアイデアが出ます。また、個人の危機管理ができるようになると、組織の危機管理能力が向上するという効果もあります。
自分の命は自分で守る
Jアラートは命に係わるので、素早い情報伝達が最も大事です。従って、ミサイルの飛来予測範囲は広くなります。第二波のミサイル発射への備えを促すためにも通過後の発表もあります。批判的な意見にとらわれずに、Jアラートの目的を理解し、自分の命は自分で守りましょう。
ヒューマンエラーやマネジメントを中心とした人財教育の専門家
島本長範さん(CIMA人財教育開発)
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