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身内の暴力を隠す傾向にあるのは女性だけか?

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身内の暴力を隠す傾向にある日本

皆さんは身内から暴力を受けた事があるでしょうか。暴力の定義を身体的な暴力のみならず、精神的な暴力(言葉や態度による暴力)も含めると、身内からの暴力を受けた事がない人は少数派かと思われます。では、身内から暴力を受けた時に、私たちはどのような対応をしているのでしょうか。

龍谷大学教授らはこの度、近畿在住の女性2400人(回答者741人)を対象に15歳以降に夫や恋人から身体的な暴力を受けた事があるかどうかの調査を行いました。調査結果をEUの調査(2012年実施)と比較したところ、暴力を受けた女性の割合はEUが20%で日本は9%。その中で実際に警察に通報した割合はEUが14%に対し、日本は0%でした。この背景には、龍谷大学教授らが見解しているように、家を重んじる日本の文化が、家庭内での暴力を隠すという傾向が少なからずあるかと思われます。

警察に通報することが最終ゴールではない

実際に暴力で苦しんでいるのであれば、身内だからといって我慢をする必要はなく、警察に通報する事は正当な手段であります。この際、注意しなければならないのは、最終ゴールは苦しみからの解放や家族円満であり、通報する事がゴールではないという事です。警察への通報はあくまでも手段の1つであり、親族や知人に相談して、問題が解決するのであれば、そのような選択肢も本人にとっては貴重な手段の1つです。

男性の方が身内からの暴力を隠しがち

一方、平成27年3月に内閣府男女共同参画局から発表された「男女間における暴力に関する調査」によると、配偶者からの暴力に対して女性の約4割、男性の約8割が誰にも相談しなかったという調査結果が出ております。この調査から言える事は、女性被害者の半数以上は誰かしらに相談をしていますが、男性の被害者は2割しか相談をしておらず、むしろ身内からの被害を隠しているのは男性という事実です。

また、女性が被害を訴えると世論は味方をしてくれますが、男性が被害を訴えても深刻にとりあげてくれないのも現状です。妻からの暴力を相談にいった男性が、女性相談員に「あなたがだらしないだけ」と門前払いを受けたという話がありますが、このような風潮がある限り、男性は追い詰められても誰にも相談できず、男性の自殺や孤立、暴力による報復といった事につながりかねません。

マスコミや女性保護団体は、こぞって女性の立ち位置を諸国と比較をしますが、特定の領域の数値だけに着目して問題化していては、物事の本質は見えてこず、根本的な解決にはならないと私は考えます。

中原崇

家庭支援カウンセリングのプロ

社会福祉士

中原崇さん(ほっとファミリー杜若(かきつばた))

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