児童虐待減少への道 根本解決には何が必要?
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児童虐待は25年連続で増加 どうすれば減少できるのか?
毎年発表される児童虐待の件数は25年連続で増加の一途をたどっています。
どうしたら少しでも減少への道を開くことができるのでしょうか。
虐待をしてしまう・・・考えられる主な理由のひとつには「虐待の連鎖」があります。
虐待をする母親(父親)自身も、実は幼少期に虐待を受けていたということがよく見られます。
とくに乳幼児期の虐待は脳の発達によくない影響を与え、扁桃体の感受性を高めたり、それを制御するはずの前頭前野の発達を遅らせたりと、その後の成長の過程で「感情のコントロール」に支障をきたす可能性があることが脳科学・精神医学の研究でわかっています。
つまり、親自身が過去に虐待、またはそれに近いものを受けた結果、情緒不安定になりやすい大人になり、自分の感情(寂しさ、不安、怒り)をコントロールできない状況にあると、「しつけ」と称して実は理論も理屈もない理不尽で不当な叱責を罪のない子どもに与えてしまう可能性が高いということです。
虐待は子どもの脳に悪い影響を与え虐待の連鎖を生むことに
それにより、子どもの脳はよくない影響を受け、愛着の歪み、見捨てられ不安、恋愛依存などを引き起こす要因となり、やがて大人になり、満たされない愛情を埋めるためのパートナーを求めさまようことにもなります。
しかし、それは「与える愛」を知らない「求めるばかりの欲望」からの結びつきによるものなので、パートナーとの信頼は簡単に崩れ、子どもにも自分の欲求を満たすためのものを求めるばかりになります。
それは「与えること」「許すこと」「認めること」を知らない愛情表現であり、「真の愛」ではないので何かがあるとすぐに虐待へと変貌するのです。
メディアなどの虐待についての報道では「事件」として事実だけを取り上げ、その背景にあるものや予防としての対策は発信されませんが、未然に防ぐためには、誰を責めることもなく、こうした背景をしっかりと目を向け、フォーカスして、行政と専門家、民間団体と地域住民のヨコのつながりを強化する必要があると思います。
虐待を減らすための基本的な考え方とは
解決のための基本的な考え方は、まず、誰も悪くない、誰のせいでもないことを認識していただき、本来は誰も虐待したくてしているわけではないことを周りの人は理解するようにしてください。
目的は、親や養育者、誰も加害者にせず、子どもを被害者にせず、どちらも救うことです。
親も保護して、こころをじゅうぶん温めてあげる必要があります。
そして、その虐待の裏にある懐疑的で悲観的、否定的な思考の習慣を改善することが大事です。
あるいはそれが脳の神経伝達物質の異常から起こしてしまったものであれば並行して医師による薬物療法も必要でしょう。
見極めが肝心です。
それと同時に次世代のために「自分も他者もどちらも大切にする人間教育」を幼児期から中学までの義務教育期間の中でおこなうこと。
世代間連鎖があるので、それを断ち切るためには、まずは幼児期からの人間教育です。
他者との違いを知り、違いがあって当たり前と教え、違いを認め合い、許し合い、助け合うこころを教えていく、共存する意味を伝えるそんな教育が今求められています。
すべての国民が無料(税金から)で受けられる人間教育の制度を設け、「人を人にする教え」が、虐待だけでなく、平和で安心できる社会を創造するためには早急に必要ではないかと考えます。
「しあわせ思考」を導き出す心理カウンセラー
きくちみよこさん(家族こころ相談室 カウンセリングルーム フェアリー)
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