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参院選、都知事選で問われる有権者の民度

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政治とカネの問題で東京都知事が二人続けて辞任

 東京都知事の舛添要一氏が政治資金問題で辞職を表明しました。
これで日本の首都である東京は二人続けて知事がいわゆる「政治とカネ」の問題で任期途中にもかかわらず辞任するという異常な事態となりました。
これにより、2011年、2012年、2014年、そして今年と5年間で4回目の都知事選が行われることとなりました。

なお、都知事選挙は1995年の青島都知事以降、いわゆる著名人の当選が続いております。
都知事の後任候補では知名度の高い蓮舫氏、小池百合子氏、某国民的アイドルグループに所属する息子を持つ桜井俊氏などの名前が取りざたされました(ただし、蓮舫氏、桜井氏は出馬に関しては否定的)。また、今年は都知事選に先んじて参議院議員選挙が行われる年でもあります。
参院選挙にしても、各政党から著名人・タレント候補といわれる面々が出馬しております。

タレント候補を擁立する政党の意図とは?

 こういった各党の候補者擁立の背景には、選挙は票を集めてなんぼの世界で、世間がまったく知らない人よりも著名人やタレントを立候補させた方が楽に当選者を出すことができるという考えがあることでしょう。
しかし、こういった安易な考えによるタレント候補の擁立は個人的には迎合できません。

 一概にタレント出身の政治家が悪いというわけではありませんが、個人的にはこういった政党側の安易に票を獲得しようという目論見に違和感を覚えます。
言葉は悪いですが、有権者を馬鹿にしているようにも思えます。
政党からすれば、「ほら、君たちの大好きな人気者を擁立しましたよ。さぁ、いつものように投票しなよ。笑」という感覚ではないでしょうか。
擁立するタレント候補に対しては、「あなたのイメージと我が党のやろうとしている政治政策に合致する」などと言っておだてておきながら、陰では「票寄せパンダ」くらいにしか思っていないのが実情ではないでしょうか。

タレント候補への安易な一票は有権者の民度の低さを表すことに

 例えば、国政や都政という重要な局面を担う人選において、こういった安易な発想によるタレント候補の擁立は何も今に始まったわけではありません。
こういった流れを止めるにはどうすればいいのか。
それは有権者が安易にタレント候補には投票することをやめるしかありません。
政党により祭り上げられた方には申し訳ないですが、そういった社会の風潮を作っていくしかないのではないかと思います。
有権者は馬鹿じゃないぞ、能力のない人、政治家にふさわしくない人には投票しないぞ、という姿勢を政党に向けて発信しないと、いつまでたっても有権者は政党に馬鹿にされ続けることでしょう。

 タレント候補が政治家としてどんなことができるのか。
まずは候補者を見極める目を養うことが必要です。
どういった公約を掲げているのか、どれほどの実行力がありそうか、どういった経歴をもっているのか。有名な方であれば参考にできる材料もあるはずです。
また、過去に票寄せパンダとして立候補して当選した政治家のその後を確認してみてはいかがでしょうか。
在任期間中にどういった活動を行ってきたのか、選挙時の公約につき何ができて何ができなかったのか、そもそも任期を全うしたのか。
遡って検証することは可能です。
色んなことが浮き彫りになると思いますよ。

 国政や地方行政を担う選挙を単なる人気投票にしてはいけません。
有権者として価値ある一票を投じましょう。
安易なタレント候補への投票は民度の低さを表しますよ。

河野晃

自然体で気軽に相談できる法律のプロ

弁護士

河野晃さん(水田法律事務所)

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