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この道40年、ベテラン不動産屋がつぶやく「家なんて買うもんじゃないよ」、そのワケは?

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中古市場に載せられない不良物件が増加

教員採用試験の願書放置、大学側に問われる責任

「こんなんじゃやってられないよ」ある会合で、地方からやってきた不動産屋が必死に訴えます。「こっち(田舎)じゃ査定しても100万200万円のクズ物件ばかり。仲介しても飲み代にもならない!!」
 通常、不動産屋の仲介報酬は売買金額の3~5%です。肝心の売買金額が小さいと比例して報酬も少なくなります。例えば売買金額100万円で報酬はたった5万円、しかも法律でこれが上限と決まっています。
 だから、割にあわない仲介はしない、仲介しないから市場に流通しない…人口減少の時代、数年で空き家が1000万戸を越えようとする中、値がつかず、市場にも出てこない「クズ物件」が増えています。見捨てられたクズ物件、統計もなく正確な数は誰もわかりません。そして、住宅ローンを返済し終わる35年後には、あなたの家にも起きることかもしれません。

駅から「信号5個」以遠は危険水準

田舎だけでなく、実は都市でも「値がつかない」現象は起きつつあります。駅からちょっと離れた団地を見てみましょう。夜になっても明かりがつかない空き家はたくさんあるはずです。高度経済成長時代に作られた古い団地は空き家だらけになりました。都市・郊外・田舎、どこも空前の家余り時代に突入です。徒歩10分、車で10分、とにかく駅から信号5個以上遠くに家があれば「ヤバい」と思って間違いありません。冒頭のように、将来売れない苦労を抱えるのです。

漏れ続ける蛇口を買うようなもの

家を買うというのは、常に水が漏れ続け、出血を止められない水道の蛇口をわざわざ買うようなものです。住宅ローン、共益費、固定資産税、町内会費…偶発的に起きる修理費用もかかります。それを上回る収入があるうちはよいですが、非正規雇用が増え、所得は増えない時代、なかなかそうもいきません。いざ売ろうにも、「駅から信号5個」の経験則により、不動産に値がつかない場所が広がっているのです。しかし費用は毎年かかります。売れない家を持てば悩みがつきません。仕事柄そういう人をたくさん見てきました。

賃貸も「結局同じ」

 持家がダメなら、「賃貸が正解?」…そうでもありません。実はあなたの支払う家賃には、様々な会社の利益が載せられています。保証会社の保証料、無意味に頻繁に行なわれる外壁塗装の費用、管理手数料、そして大家の利益…知らない間にいろんな利益が「家賃」にひっくるめられて、あなたは気付かずあくせく支払っているのです。人間必ず住む場所が必要です。今の日本では、無理して家賃を支払えば最後、給料は家賃に吸い取られ、社会の最底辺から抜けられない仕組みが出来上がっています。

資産から消耗品へ「出血を抑えて使い潰せ」

衣食住は生活に必須ですが、これまで衣と食は消耗品で「住」だけが資産として考えられていました。しかしこれからの時代、住宅は無価値に突き進みます。どうせ無価値になるものならば、安いものを買って使い潰してしまうのが正解です。着るもの、食べるものと同じように、安いものを買って、擦り切れるまで使い続けるのです。それが、この人口減少社会、住宅無価値時代に立ち向かえる術なのです。

プロもうなずく不動産のプロ

中山聡さん(わくわく法人 rea 東海北陸不動産鑑定・建築スタジオ株式会社)

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