同窓会急増に見る現代人の心理模様
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東日本大震災の発生後、小中学校や高校時代の同窓会の開催が急増
最近、「同窓会」に参加しましたか?東日本大震災の発生後、小中学校や高校時代の同窓会の開催が増えています。東北の被災地では、震災前と比べて開催件数が1.5倍に達するホテルがあるほか、全国展開する同窓会代行業者では取り扱いが倍以上になったケースがあるようです。高齢層のみならず、若い世代による企画も目立ち、震災を機に旧交を温めようと、その機運は世代を超えて高まっているのです。
「同級生に会うと、すぐ昔に戻れる。元気をもらえた」と笑顔で話す人や「今、同窓会をしなければ、生きて会えないかもしれない」といった思いを語る人もいるようです。なぜ、今、同窓会が増えているのでしょう。
震災を経験したことで、人々は「命」の限りを意識し始めた
トルストイの著書「人は何で生きるのか」にもあるように、人間は、いつ「死」が訪れるのか、それは誰にもわかりません。よって、今の自分に本当に何が必要なのかがわからないのです。来年、死期が訪れるとしても、ローンを組んで新築一戸建てを建てる人もいるでしょうし、遺産を巡って兄弟と骨肉の争いをしている人もいるでしょう。もしくは失恋で途方に暮れている人もいると思います。
現代は、文明が発達し、世の中は刺激と楽しみに溢れています。さらに、日本は長寿大国です。きっと戦後までの日本と比べて、「命」の限りを意識することに対して疎くなっているのでしょう。だからこそ「侍」や「大戦中の兵士」に対して、「美」を感じるのかもしれません。失うものが多かった先の東日本大震災を経験したことで、人々は「命」の尊さを認識し直したのではないでしょうか。
「立場」が付く前の「素の自分」を知っている人の尊さ
また、人間には、自己肯定欲求という欲求が存在します。褒められたい、認めてほしいという欲求です。褒め言葉もそうですが、「自分を知ってくれている」ということも、自己肯定欲求を満たすことになります。
人は、自分を知ってほしいのです。SNSが活発な日本では、レストランで食べ物の写真を撮ってはアップしたり、「○○なう」と自分の居場所を知らせたりします。大人になると、親であることや役職など様々な「立場」が付いて、「素の自分」を知る人は少なくなっていきます。ところが旧友はどうでしょう。「立場」が付く前の自分を知ってくれています。
命の尊さを知り、自分を知る人の尊さを知ったことから、「同窓会」という場を現代人は求めているのかもしれません。
独自手法で短期解決をもたらす心理カウンセラー
青柳雅也さん(カウンセリングルーム アンフィニ)
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