増税後の値引き戦略 住宅業界も追従?
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増税後の住宅の値下がりは望めない
平成26年4月1日から消費税が8%に値上がりし、各企業は独自の戦略で増税による売上減を防ごうと躍起になっています。売上を増やす対策として、企業が取っている戦略は大きく分けると「値引き戦略」と「付加価値戦略」の二つです。
「値引き戦略」とは、増税分を定価から値引くことであり、「付加価値戦略」とは、商品の価格を抑えるのではなく、商品価値自体を上げる戦略です。値引き戦略で売上を伸ばそうとしている企業として、イオンやドンキホーテが存在します。また、付加価値戦略を取っている企業には、スターバックスや各ビール会社などが当てはまるでしょう。
では、住宅業界はどうでしょう。結論から言うと、増税後の住宅の値下がりは望めず、付加価値戦略を取る傾向にあります。理由の一つとして、住宅原価の値上がりがあります。住宅の原材料は、原油価格の高騰を受けて毎年上がっています。さらに、東日本大震災後の復興事業と東京五輪に向けての需要により、人手不足は日増しに深刻さを増しています。長い不況で工務の人材を育ててこなかったこと、人材の高齢化も課題となり、価格を下げて受注を増やそうにも工事自体ができない状況になりつつあるのです。
さらに、不動産業界における増税後の集客状況は、企業の思惑をかなり下回っています。新商品を投入して集客を増やそうとしているようですが、住宅ローン減税の拡充やすまい給付金で景気の減速を抑えようとする政府の思惑とは裏腹に上向きません。大方の予想では、増税前の60%程度まで住宅の着工は減少すると予想されています。
消費者の住宅需要もライフスタイル重視の傾向に
受注自体が減り、原価が上がっていく状況の中で、企業自らが自分の首を締めることになる値下げは考えにくいというわけです。実際、大手住宅会社が販売する住宅も大容量太陽光発電システムを搭載し、コストを上げたスマートハウスが主流になりつつあります。
また、最近の住宅購入者の傾向は、一昔前のように無理をして住宅を購入しようとするのではなく、自分のライフスタイルを重視しています。価格の高い安いではなく、価格のわかりやすさ、価格への納得感、そして、今までと変わらない生活スタイルを求めて購入を決めている傾向にあります。価格がいくらになるかわからない注文住宅ではなく、規格住宅や中古住宅の購入が増えている事実もあります。今後しばらく、ライフスタイルを重視した住宅の購入がトレンドになっていくのかもしれません。
生涯設計で住宅購入に関する悩みや不安を解消するプロ
福間直樹さん(株式会社 成都地所)
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