あいつが、息子を殺した少年・・・映画「息子のまなざし」
今回見た映画はこれ
これ、ひどい映画です。いえいえ、映画がひどいのじゃなくて、映画の中で描かれている世界がひどい。場面はアフガニスタンなどの紛争地帯に派遣され、生死に関わるようなむごい体験や命令通りに行った作戦によって多くの市民や兵士が命を落としたことに気が付いてしまった兵士、また目の前で友人が負傷し、その友人を帰国後も介護し続けている兵士の3人が精神科医にカウンセリングを受ける場面から始まります。
そしてそこではある薬が処方されるのでした。
それだけなら、もちろん戦争後遺症として深刻ではあるけれども、それほど珍しい話ではないのかもしれません。ところがその3人が偶然(?)乗り合わせたエスカレーターのなかで事件が勃発するのです。
急にエスカレーターが停止し、外部との連絡が途絶えます。何とか連絡できたものの、聞こえてくる情報からわかるのは、彼らが閉じ込められている首都ワシントンが何者かに空爆されている、という危機的状況でした。またそれに加えてどいうやら核爆弾か、放射能に汚染された爆風が、ワシントンを襲い掛かります。当然エスカレーターの中の3人はパニックに。
逃げる手段もなく、閉じ込められた閉鎖空間の中で、ただ放射能ガスを吸わないように逃げ惑う3人。さて、このあと3人は一体どういう行動に出るのでしょうか?・・・・というのが、この状況を引き起こしてひそかに3人の様子を監視している精神科医たちの目的でした。要するにカウンセリングの中でPTSDと診断された兵士たちに処方した薬が、再び巡ってくる危機的状況の中で効果をあげるかどうかを実験しているのです。ひどい・・・。
そしてその背景には軍が関与していて、戦争でPTSDになり殺戮機械として機能しなくなった兵士の数があまりに多くなって、予算的に困窮してくるという問題を解決するために、新たな新薬を開発することが求められてるのです。その生体実験にこの3人の兵士は巻き込まれてしまった・・・・。
なんだか見ていてやりきれなくなりましたが、現実的には人間の科学技術は戦争によって進化し前進してきた歴史があります。ダイナマイトにしても核爆弾にしても、最近ではドローンなんてのも、その一つでしょう。しかしその背景に新薬を巡る製薬会社の利益追求の暗躍や、経済的な発展を目指した武器を提供し続ける企業や政治家の存在が。
あぁ~いやだ、ひどい・・・・。
何とも後味の悪い、そして大切な問題提起をした映画でした。
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