ドキュメンタリー映画「徘徊」:認知症の母と娘の日々を描いた作品
今日の障害と人生を考えさせられる映画は、“ザ・プラクティス シーズン2 (The Practice season2 ) disc 4 『気高き選択』”。たまたま近くのレンタルビデオ屋で借りて、なかなか面白かったので、シーズン2まで見てしまった法廷モノのシリーズの中の1話です。
実はこの話には、あまり映画やドラマでは登場しないジル・ド・ラ・トゥーレット症候群の女の子が出てきます。
ちなみにジル・ド・ラ・トゥーレット症候群と多彩な運動性チックおよび音声チックが1日に頻回にほとんど毎日起きているいう神経疾患です。患者さんの様子が写されたトゥーレット友の会の動画もありましたので載せておきます。
以前は心因性が疑われていたのですが、今や脳内のドーパミン・セロトニンに関連のある神経精神疾患だろうと言われています。
さて、この少女のドラマの中での症状は、急に立ち上がって腕を前に突き出してしまう・その場でぴょんぴょん飛び跳ねたり、歩き回ってしまう・甲高い声を出してしまう、などでした。
実際には、チックといわれる不随意運動(ビートたけしさんが以前見せていましたね)や音声チックなど色々な症状があるようですが、いずれにしても不随意運動なので本人が意図的に行動しているわけではなく、そこのところが周囲の誤解を生んだり、本人の悩みでもあるわけです。
このドラマでは、この少女の通う小学校の校長が、彼女の症状が他の子どもたちの学習に支障を与えるということで退学を迫ったわけです。それに対して少女と父親が裁判を起こして、この法律事務所に依頼をした、ということになっています。
確かに症状だけを見ると、校長の言うように他の生徒にとっては刺激にならざるを得ないでしょうね。しかしだからといって、そういう彼女を退学させることが妥当かどうか、そこに判断が迫られます。
今回ここでこのドラマを取り上げたのは、この話の最後のところで裁判官が下した判断とその理由がとてもすばらしいと思ったからでした。最後に、少し長いですが、そのセリフを載せたいと思います。
“・・・・いつの間にか、わが国(注:アメリカ)では実用主義が台頭しています。現代もてはやされるのは、実用主義論をまくし立てる人間です。法廷でも見かけました。
『寛容な心で子どもに接したいが、学校の運営もある、周囲に有害な腐ったリンゴは取り除く、それが合理的かつ実用的な方法だ』
問題は、いまや実用主義が、掲げた理想を実現できない際の妥協、に過ぎないことです。非常に残念です。学校側は努力不足です。効率面だけを考えるのは十分な措置とはいえません。校長は学校に戻り、適切な処置をし、うまくいかなければ再度努力を繰り返して下さい。”
裁判官はこう判決理由を述べて、学校側の努力不足を指摘し、少女の言い分を認めたのです。いや、アメリカと言う国はこういう問題をきちんとテレビドラマで取り上げ、的確なメッセージを出せる国なのですね。(だのに、今のトランプ氏の排斥的な言動が、アメリカ国民の支持を得つつある状況は、一体・・・・・・)
でも、なんだか見ていて希望がわいてくる結末でした。
読んでくださって ありがとう
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