映画「精神」:「病と共に生きる人」、そしてその彼らと共に生きる人
今回見たDVDはこれ。
さて、今日は「さよなら。いつかわかること」の紹介を紹介します。
この映画は、愛する人との別れを描いた作品です。この家族の母親グレースは、アメリカ軍の兵士としてイラク戦争に参戦し、死亡しました。その知らせを呆然と受け取った夫スタンレーは二人の娘ハイディ(12)とドーン(8歳)にどう伝えればいいか、迷い苦しみます。そして迷ったスタンレーは衝動的に二人の娘を連れて旅に出たのです。
大切な人を亡くした場合に多くの人は一様なパターンの行動に出ます。それを「喪の仕事」とか「対象喪失」だとか言いますが、研究者によって少しづつ異なりますが。一般的なパターンとして
第1段階: 無感覚・情緒危機の段階<死を知らされた直後の反応で、激しい衝撃に茫然としてしまい、死を現実として受け止めることができない>
第2段階: 思慕と探求・怒りと否認の段階<喪失を事実として受け止め始め、深い悲嘆が始まるが、他方でまだ喪失を充分には認めることができず、故人を無意識に探し求めたりする>
第3段階: 断念・絶望の段階<死の現実が受け入れられ、絶望に襲われる。それまで故人との関係がすべて失われたことを自覚し始め、絶望、失意、抑うつ状態が支配的になる段階>
第4段階: 離脱・再建の段階<故人の死をようやく受け入れることができはじめ、思い出は穏やかで肯定的なものとなり、場合によっては新しい心の支えとなる相手を見つけたりもできるようになる>
もちろんこの段階が順序良く移り行くと言うよりも、現実には行きつ戻りつしながら、次第に変化していくのでしょう。当然個人差もありますし、こういう段階説を機械的に当てはめることは行きすぎだ、人間には「レジリエンス」という復活再生力があるのだ、という意見もあります。
この映画に関して言えば、主人公のスタンレーや娘たちの言動に、この段階説で述べたようなさまざまなこころの状態が見事に描かれています。人によってはこの映画は身につまされすぎて見て居られない、と言う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、このような辛い現実を乗り越えていく過程を知っておくことは、支えを必要とされている方々のサポートをする場合でも、また万が一自分がそのような立場になった時にも、見通しを持てることで心の支えとなるかもしれません。
◇◆◇ 興味を持たれた方はぜひ!
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