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コラム
大切なことは絵本から学んだ<55> 引きこもりのジョセフが!「ジョセフの庭」
2015年6月8日
この絵本は少し古いですが、私を絵本の世界に引き入れてくれた思い出のある絵本です。
さて「ジョセフのにわ」ですが、主人公のジョセフは見てのとおり、メガネをかけ少し気持ちが屈折したような男の子。
彼は何がきっかけかわかりませんが、ずっと家の裏庭に引きこもってしまいます。
今で言う不登校とか、ひきこもりのような状態でしょうか。
しかしある時手に入れた苗木がとても気に入り、裏庭で一生懸命育てます。
でもちょっとしたことからジョセフは花を枯らしてしまうのです。
花に水をあげる時、皆さんは口に出して言わないかもしれませんが、
「早く大きくなってね」という気持ちをこめませんか?
そうですよね、水は「愛情」であり、「生命力そのもの」でもあります。私たちは花を育てているようで、
実は自分自身の愛情や自分自身の生命力を活性化させているのです。
しかしジョセフは花を枯らしてしまいます。それも一度だけでなく二度も。
一度目は花の成長を待ちきれず、まだつぼみなのに手折って。
2度目は大切に守ろうとするあまり、逆に花の成長を殺して。
「愛情」も「生命力」も本来、相手の立場に立って無理なく自然に交流するときに生まれるものでしょう。
早く大きくなって欲しい、という一方的な重過ぎる愛情は相手にとって負担でしかありません。
ジョセフはとうとう自分の手で育てることなく自然に任せて見守ることにしました。
すると、なんとその花は再び芽を吹き始め育ち始めたのです。
「あわてず、あせらず、あきらめず」
やがて月日が過ぎ季節がめぐり、裏庭には花が咲き乱れるようになりました。
ジョセフ自身の生命力も花と一緒に成長したのです。
そして、最後にその花園では
“はなのあいだを むしがとび、えだには とりが とまりました
ねこは はなのかげに ねそべりました。
そしてジョセフは しあわせでした。”
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