74【不動産投資】動画24分「勝手に応援シリーズⅠ ネクスウェイブ株式会社」

コラム214
【不動産投資・住宅】人生100年、RC120年 築40年はまだピチピチ!?
「築40年くらいのRCマンションも普通に買います。」
僕がそう話すと、
けっこうな確率で驚かれます。
「築40年ですか!?」
「そんなに古くて大丈夫なんですか?」
「あと何年使えるんですか?」
正直、
もう、この反応には少し辟易しています(笑)。
僕にとって、
築40年程度のRCマンションは、
それほど驚くようなものではありません。
もちろん、
築古なら何でもいい、
という話ではありません。
場所。
広さ。
管理状態。
修繕状況。
そして価格。
条件が合えば、
築40年でも普通に購入対象です。
今回は、
「築40年は、本当にそんなに古いのか?」
について考えてみます。
キーワードは、
人生100年、RC120年。
です。
■ RC47年は「建物の寿命」ではない
不動産の話で、
よく出てくる数字があります。
RC造の法定耐用年数、
47年。
この数字を聞いたことがある人は多いと思います。
ただし、
ここで非常に大切なのは、
法定耐用年数=建物の寿命
ではないことです。
法定耐用年数は、
税務上、
減価償却費を計算するための物差しです。
築46年11か月なら大丈夫。
築47年になった瞬間、
建物が使えなくなる。
そんな話ではありません。
当たり前ですよね。
ところが、
「RC47年」
という数字だけが一人歩きすると、
築40年と聞いた瞬間、
「もう残り7年。」
そんな感覚になってしまうのかもしれません。
では、
RC造の建物そのものは、
実際には何年くらい使えるのでしょうか。
■ 国土交通省の資料が面白い
ここで、
非常に興味深い資料があります。
国土交通省の、
「RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例」
です。
これは、
国土交通省が、
「RCの寿命は120年です。」
と決めた資料ではありません。
RC造の寿命について、
過去に行われた複数の研究を整理したものです。
まずは、
実際の資料をご覧ください。
出典:国土交通省「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」資料
(参考)RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例
国土交通省「RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例」
この表、
かなり面白いと思いませんか。
同じRC造について、
50年以上。
117年。
120年。
150年。
68年。
かなり違う数字が並んでいます。
なぜ、
これほど違うのでしょうか。
それは、
それぞれが違うものを測っているからです。
■ 物理的寿命「117年」
資料には、
飯塚裕氏の1979年、
「建築の維持管理」
が紹介されています。
実際のRC造建物の減耗度を調査し、
建物の減耗度と使用年数との関係から、
RC造建物の物理的寿命を、
117年
と推定しています。
税務上の47年とは、
そもそも意味が違います。
■ 一般建物「120年」、外装仕上げで「150年」
さらに、
大蔵省主税局が1951年にまとめた、
「固定資産の耐用年数の算定方式」。
こちらでは、
コンクリートの中性化速度から、
RC造・SRC造の構造体の効用持続年数を算定しています。
その結果、
住宅を含む一般建物について、
120年。
さらに、
外装仕上げによる延命を考慮した場合には、
150年。
という数字が示されています。
120年どころか、
150年です。
もちろん、
ここだけを切り取って、
「RCマンションは150年大丈夫!」
と言うつもりはありません(笑)。
施工状態。
コンクリートの品質。
防水。
配管。
修繕。
管理状態。
それぞれの建物で、
条件はまったく違います。
ただ、
少なくとも、
「RC47年=建物の寿命47年」ではない。
これは分かります。
■ 一方で、実際の平均寿命は「68年」
同じ国土交通省資料には、
RC系住宅の平均寿命を、
68年
と推計した研究も掲載されています。
こちらは、
固定資産台帳の滅失データを使った研究です。
117年。
120年。
150年。
なのに、
実際には68年?
と思いますよね。
でも、
おかしくありません。
物理的に何年使えるのか。
と、
実際に何年で取り壊されたのか。
は、
別の話だからです。
再開発。
建て替え。
土地の有効利用。
設備の陳腐化。
経済的な事情。
建物そのものが使えなくなる前に、
取り壊されることもあります。
つまり、
47年 税務上の法定耐用年数
68年 滅失データから推計したRC系住宅の平均寿命
117年 物理的寿命の推定例
120年 一般建物の効用持続年数の算定例
150年 外装仕上げによる延命を考慮した算定例
全部、
違う物差しなのです。
■ 120年なら、築40年はまだ3分の1
もちろん、
120年という研究例があるから、
築40年なら、
あと80年使える。
そんな単純な話ではありません。
ただ、
物差しを変えると、
見え方はかなり変わります。
47年を物差しにすると、
築40年は終盤です。
120年なら、
まだ3分の1。
そう考えると、
築40年。
まだピチピチじゃないですか(笑)。
少なくとも、
「築40年」
という数字だけで、
不動産の価値を判断することには、
僕はかなり違和感があります。
■ 人生100年。建物だけ昔の年齢感覚でいいのか?
人間も、
長生きするようになりました。
「人生100年時代」
という言葉も、
珍しくありません。
昔と今では、
60歳、
70歳という年齢から受ける印象も、
ずいぶん変わったと思います。
そして、
建物を維持する技術も進歩しています。
防水。
塗装。
給排水設備。
大規模修繕。
そして、
リノベーション。
築40年、
築50年のマンションでも、
構造体や管理状態に問題がなければ、
室内を大きく作り直すことができます。
配管。
設備。
床。
壁。
間取り。
良い箱を残して、中を作り直す。
そんなことが、
普通にできるようになりました。
人間の寿命は延びた。
建物を維持する技術も進歩した。
それなのに、
「築40年だから、もう古い。」
という感覚だけが、
昔のままでいいのでしょうか。
■ 新築・築浅信仰は、僕にとってチャンスだった
日本では長い間、
「家を買うなら新築。」
「中古なら、できるだけ築浅。」
という考え方が強かったと思います。
築30年。
築40年。
それだけで敬遠される。
でも、
投資家から見ると、
これはむしろチャンスでした。
多くの人が、
「新しい」
ということに高い価格を払う。
一方で、
築年数が古いというだけで、
都心。
駅近。
十分な広さ。
RC。
良好な管理状態。
そんなマンションまで、
相対的に安く評価される。
僕は、
そこを買ってきました。
つまり、
多くの人が新築・築浅を好んできたからこそ、築古RCを安く買える時代が続いていた。
とも言えます。
僕にとっては、
ありがたい話でした(笑)。
■ ところが「築40年」の値段が変わってきた
その状況も、
少しずつ変わってきたように感じます。
新築マンションが、
高くなりました。
建築費。
人件費。
資材価格。
土地価格。
さまざまなものが上昇しています。
すると、
今まで新築しか見なかった人も、
中古を見るようになります。
東京や福岡などの都心部、
人気エリアでは、
築40年前後のマンションでも、
フルリノベーションされ、
数千万円という価格で普通に販売される時代
になりました。
福岡でも、
大濠などの人気エリアでは、
築40年前後のフルリノベーション物件が、
6,000万円前後で販売されるケース
まで出てきています。
「築40年だから価値がない。」
では、
もう説明できません。
市場が見始めているのは、
築年数だけではなく、
場所。
広さ。
建物。
管理状態。
そして、
リノベーション後の利用価値。
なのだと思います。
僕からすると、
少し複雑です。
みんなが、
「あれ?築40年でもいいんじゃない?」
と気づいてしまうと、
築古RCそのものが高くなってしまいます。
新築・築浅信仰が強かった今までの方が、僕にはチャンスだったのかもしれません(笑)。
■ ただし、築古なら何でもいいわけではない
ここは、
とても重要です。
僕は、
築古なら何でも買えばいい、
と言っているわけではありません。
場所が悪い。
需要がない。
管理されていない。
修繕されていない。
そういう不動産は、
当然厳しくなります。
これからは、
価値が残る築古と、価値を失う築古。
さらに差が広がると思っています。
空き家や不動産の二極化については、
別のコラムでも書いていますので、
ここでは詳しく触れません。
僕が築古RCで重視しているのは、
特に、
場所と広さ。
そして、
管理状態です。
今、
その場所に、
同じ広さのRCマンションを新築したら、
いくらになるのか。
そこから逆に考えることもあります。
■ 融資の物差しは、まだ短い
一方で、
築古RCには、
まだ壁もあります。
その一つが、
融資です。
金融機関によって基準は異なりますが、
中古不動産への融資では、
法定耐用年数を基準にする。
あるいはRC造なら、
「60年-築年数」
などを目安に、
融資期間を考える金融機関もあります。
築40年なら、
60年-40年=20年。
一方で、
先ほどの国土交通省資料には、
物理的寿命117年、
効用持続年数120年、
という研究例があります。
もちろん、
だから銀行が80年融資すればいい、
という話ではありません(笑)。
金融機関は、
担保価値。
回収期間。
将来の流動性。
修繕リスク。
さまざまなものを見ています。
ただ、
建物を長く使う時代に対して、融資の物差しはまだ短い。
これは感じます。
築50年。
築60年。
そんなRCマンションが、
普通に売買され、
普通にリノベーションされる時代になれば、
金融機関の評価も、
少しずつ変わっていくのかもしれません。
■ これからは「セカンドバリュー」
住宅を買う側の考え方も、
変わってきています。
買うときの価格だけではなく、
売るときに、いくらの価値が残るのか。
セカンドバリューです。
これは、
不動産では特に重要だと思います。
新築だから安心。
築浅だから安心。
ではなく、
10年後。
20年後。
30年後。
その場所に、
住みたい人がいるのか。
その広さに、
需要があるのか。
きちんと管理されているのか。
リノベーションして、
また使えるのか。
そして、
売ろうと思ったとき、
買いたい人がいるのか。
僕は、
築年数そのものより、
こちらを重視します。
■ 築40年は、まだピチピチ!?
今回紹介した、
国土交通省の資料。
改めて見ると、
面白いと思います。
RC造について、
50年以上。
68年。
117年。
120年。
150年。
いろいろな数字があります。
そして、
税務上の法定耐用年数は47年。
金融機関には、
また別の融資基準があります。
つまり、
税務の物差し。
金融の物差し。
物理的寿命の物差し。
実際に取り壊されるまでの物差し。
市場価値の物差し。
全部、
違うのです。
だから僕は、
築年数だけでは、
不動産を判断しません。
人生100年。
RC120年という研究例もある。
修繕技術も、
リノベーション技術も進歩した。
もちろん、
築40年なら何でもいいわけではありません。
場所。
広さ。
管理。
修繕。
価格。
そして、
セカンドバリュー。
それらが揃ったRCマンションなら、
僕にとって、
築40年はまだまだピチピチです(笑)。
だから、
「築40年のマンションを買います。」
と言っただけで、
そんなに驚かなくても大丈夫です(笑)。
むしろ、
みんなが築40年の価値に気づいてしまう方が、
僕としては困るんですけどね(笑)。
■ 参考資料
国土交通省「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」資料
(参考)RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例
国土交通省「RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例」
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