外国人面接で何を見るべきか?フィリピン・マニラ現地で面接を行って見えた海外人材採用の成功条件

松本尚典

松本尚典

テーマ:海外進出 コンサル


1、日本企業と外国人雇用


今回の、マニラ出張の目的


2025年7月1日。

今回、僕は、飲食事業を展開する、東京証券取引所スタンダード市場に上場する、あるクライアント企業が、メトロ・マニラに出店する飲食事業の人材面接のため、マニラのマカティ市に入りました。

今回の出張の目的は、単に現地スタッフを採用することではありません。

日本企業が海外人材を採用する際に、どのような基準で面接を行い、どのような質問で人材の本質を見抜き、どのように採用後のミスマッチを防ぐべきかを、現地で実践することにあります。

特に、外国人面接では、日本人採用と同じ感覚で「真面目そうか」「感じがよいか」「長く働いてくれそうか」だけを見ていると、採用後に大きなミスマッチが起きます。

語学力、職務経験、給与希望だけでなく、仕事に対する価値観、キャリア志向、家族観、転職への考え方、チームでの働き方、上司との距離感、顧客対応の姿勢まで、面接で確認すべき項目は多岐にわたります。

今回は、今、日本企業が悩む人材採用の比較論的な観点に加えて、外国人採用・海外人材面接で経営者が押さえるべき実務的なポイントを、フィリピンのマカティ市より、発信したいと思います。

日本企業と外国人雇用


今、このコンテンツをお読みいただいている経営者の方々は、おそらく、多かれ少なかれ、日本における人材問題で、悩まれていると思います。

日本では、

人材が採れない
更に、使える人材は全く採れない


このような悩みを、今の中小企業経営者であれば、皆さん、抱えると思います。

求人広告を出しても、来る人材は戦力としてあまりに生産性が低く、逆に求人広告を出して大量に来るのは、この人材難をビジネスにする人材系企業の営業ばかり・・・。

これが、今の日本の人材求人の現状です。

日本の人口減少は、深刻という段階をとっくの昔に通り越して、最早、国の存続を危うくする状態にあります。毎年発表される人口減少数は、70万人を超えて80万人越に達しています。これは、地方の比較的大型の市が、いくつも毎年消失しているような状態にあります。

女性活用や、高齢者の持続的活用も、ともに、既にピークに近づきつつあり、労働力の追加的な加算が可能なのは、外国人の活用の分野に絞られています。

つまり、これからの日本企業にとって、外国人雇用は、単なる人手不足対策ではありません。

外国人材を採用し、定着させ、戦力化できるかどうかが、企業の成長力そのものを左右する経営課題になっています。

その外国人の活用という分野で言いますと、日本企業は、非常に苦手です。

英語ができない、という初歩的な問題からはじまり、外国人の生活感や働き方に対する多様性を認める文化に乏しいという問題によって、外国人を活用できる企業は、女性活用や高齢者活用をしている企業よりも、ずっと絞られてきます。

特に、外国人面接においては、日本企業側が、候補者を正しく評価できていないケースが多くあります。

例えば、英語で堂々と話す候補者を「優秀そうだ」と評価してしまう。逆に、日本語が十分でない候補者を「戦力にならない」と判断してしまう。あるいは、履歴書の職歴だけを見て、実際の職務遂行能力や責任感を確認しないまま採用してしまう。

このような面接の失敗は、採用後の早期離職、教育コストの増大、現場との摩擦、サービス品質の低下につながります。

しかし、今、日本企業における雇用問題の、近未来的な解決法は、外国人雇用をおいて、他にはありません。そこにしか、人材の需給関係の均衡策を解決する道は、ありえません。

したがって、外国人雇用で重要なのは、単に「外国人を採用すること」ではありません。

外国人材を面接で正しく見抜き、採用後に戦力化する仕組みを持つこと

ここに、日本企業の経営者が取り組むべき、本当の課題があります。

僕の人材採用戦略


僕は、昔から女性の活用が上手い経営者だと自負しております。URVグローバルグループは、多くの女性の部下を幹部に採用し、彼女たちのモチベーションを引き出すのが、僕は比較的得意です。お客様のクライアントの経営者にも、多くの女性経営者がおられます。したがって、URVグローバルグループは、男性とともに、女性のチカラもフル活用することで、これまで成長をしてきました。

高齢者雇用は、弊社の強い成長戦略志向の関係上、活用する事業は限られていますが、例えば、不動産総合事業のビル管理事業などでは、多くの高齢者の方を雇用しています。

このように、僕は、人材の多様性を認めつつ、自分の事業の価値観を社員に共有させて、その力を事業の生産性向上に結び付けてきました。

そして、何よりも、僕のURVグローバルグループの成長を支えているのは、外国人人材の活用です。

世界に広がるURVグローバルグループの性格上、日本企業が最も苦手とする外国人活用に、僕は、非常に積極的です。現在、約90名いる、URVグローバルグループの雇用者のうち、実に、80%を超える70名以上が外国人で、その働き先は、日本ではなく、海外の各国です。日本国内事業の売上比率が、グループの5%にも満たないというURVグローバルグループは、外国人の活用で、おそらく、日本の中小企業としては、驚異的な生産性を出している企業だと、僕は自負しています。

僕が外国人人材を採用する際に重視しているのは、単なる語学力や学歴ではありません。

外国人面接で特に見るべきなのは、以下のような点です。

第一に、仕事に対する目的意識です。


その人は、なぜこの会社で働きたいのか。単に給与が高いから応募しているのか。それとも、仕事を通じてキャリアを伸ばし、家族や将来の生活をより良くしたいという明確な動機を持っているのか。

第二に、成長意欲と学習能力です。


外国人材の場合、日本企業の文化、日本人顧客への対応、日本式の品質管理など、入社後に学ばなければならないことが多くあります。したがって、現時点の完成度よりも、学ぶ姿勢、吸収力、素直さを見抜くことが重要です。

第三に、責任感と継続性です。


海外人材の採用では、転職に対する考え方が日本人とは異なることがあります。だからこそ、面接では、過去の退職理由、仕事を続ける条件、将来のキャリア設計を丁寧に確認する必要があります。

第四に、日本企業側の価値観を一方的に押し付けないこと


外国人材は、日本人の代替品ではありません。異なる文化、異なる生活背景、異なるキャリア観を持つ人材です。その違いを理解したうえで、会社の理念や仕事の基準を共有し、同じ方向に進めるかどうかを見極めることが、外国人面接の本質です。

2、日本と、フィリピンの人材事情の比較論的考察


さて、今日、立っているフィリピンでも、6月に設立したクライアントの現地法人にて、現地のローカル人材を採用すべく、求人活動を開始しました。

日本では考えられないことながら、フィリピンの正社員のフル勤務の給与水準は、飲食業の場合、社員でも数万円。

これに対し、我々は、幹部人材には、30万円以上の給与の求人を、人材紹介会社に提示したため、多くの高スペックの人材が紹介されてきました。

フィリピンは、経済の高成長が、コロナ後に顕著になったため、まだ、人材の活用が進んでいません。日本のように、非正規雇用が認められない法制度の関係で、企業が人材の採用に、あまり積極的ではなく、未活用の若い人材が豊富にいます。

外資参入の高い、会社設立の壁がありますが、我々は、既にそれを乗り越えて、現地採用が可能な会社体制を構築しましたので、フィリピンにいる豊富な高いモチベーション人材を活用することができるようになりました。

英語が公用語で、高い高等教育をうけ、高い経済成長の活力ある社会に影響を受けて、未来の自分の成功に、目をきらきら輝かせて、日系の事業家である僕たちに、素敵な笑顔でアピールをしてくる人材が、豊富にいるのが、フィリピンです。

日本の鬱屈した人材マーケットでの求人など、馬鹿らしくなってしまうほど、ここは、豊富な人材が溢れています。

ただし、ここで日本企業が誤解してはいけないことがあります。

フィリピンに優秀な人材が多いからといって、誰を採用しても成功するわけではありません。

むしろ、海外人材の採用では、日本国内採用以上に、面接設計が重要になります。

なぜなら、外国人候補者は、自己PRが上手く、面接での印象が非常によいことが多いからです。笑顔、英語力、プレゼンテーション能力だけを見ると、全員が優秀に見えてしまうことがあります。

しかし、経営者が見なければならないのは、面接の場での印象ではなく、採用後に実際に成果を出せるかどうかです。

飲食業であれば、接客への適性、衛生管理への意識、チームワーク、時間管理、クレーム対応、店舗責任者としての判断力などを確認しなければなりません。

幹部候補であれば、売上管理、人材育成、現場改善、部下への指導力、経営者の方針を理解して実行する力を見なければなりません。

そのため、外国人面接では、次のような質問が有効です。

「前職で最も大きな成果を出した経験は何ですか」

この質問では、候補者が自分の成果を具体的に説明できるかを見ます。

「仕事で失敗した経験と、その後に改善したことを教えてください」

この質問では、失敗を他責にする人材か、自分で改善できる人材かを見ます。

「部下や同僚と意見が対立したとき、どのように解決しますか」

この質問では、チーム内でのコミュニケーション能力を見ます。

「日本企業で働くうえで、不安に感じることは何ですか」

この質問では、候補者が文化の違いを理解しているか、現実的に働く準備ができているかを見ます。

「3年後、どのような立場で働いていたいですか」

この質問では、短期的な給与目的だけでなく、長期的なキャリア意識があるかを確認します。

英語でのコミュニケーションと、人材を教育して開発するスキル、そして、燃え上がるフィリピンのマーケットで売り上げをあげるビジネスモデルがあれば、ここは、人材の宝庫だと僕は、感じています。

しかし、その宝庫から本当に会社を伸ばす人材を見つけるには、経営者自身が、外国人面接の技術を持つ必要があります。

3、 面接活動開始


このコンテンツを公開する、2025年7月2日から、僕は、英語での面接を、1対1で、現地で行い、人材の選定活動に集中します。

今回の面接で僕が確認するのは、英語力や経歴だけではありません。

候補者が、どのような人生観を持ち、どのような働き方を望み、どのような環境で力を発揮し、どのような上司や組織のもとで成長できるのかを、深く見ていきます。

外国人採用で失敗する日本企業の多くは、採用前の面接で、相手の本質を十分に確認していません。

「人が足りないから採る」
「日本語が少し話せるから採る」
「人材紹介会社が勧めるから採る」
「給与条件が合うから採る」

このような採用をしてしまうと、入社後に、文化の違い、仕事観の違い、マネジメントの違いが表面化します。

外国人雇用を成功させるには、面接、採用、教育、評価、定着までを一体で設計する必要があります。

日本の人口減少は、外国人の大量流入を認めるしか、既に解決策はありません。日本にいても、外国人雇用を活用できなければ、人材採用と活用難は、益々強まるばかりです。

それであれば、日本に引籠って、減退する成長力のレッドオーシャン市場で生きるよりも、海外に打ち出して、ブルーオシャンのマーケットを、活力ある現地人材で勝ち取ったほうがよい、というのが、僕の発想です。

これをお読みの経営者の皆さんも、そうお思いになりませんか?

外国人採用、海外人材面接、現地法人の人材戦略で悩んでいる経営者の方は、まず、自社がどの段階でつまずいているのかを整理することが重要です。

求人の出し方が悪いのか。
面接で見るべき基準が曖昧なのか。
採用後の教育制度がないのか。
外国人材を管理できる幹部がいないのか。
あるいは、そもそも海外進出や外国人雇用の戦略設計が間違っているのか。

この問題は、求人広告や人材紹介会社だけでは解決できません。

経営戦略、人材戦略、海外事業戦略を一体で考える必要があります。

URVグローバルグループでは、実際に海外で外国人人材を採用し、教育し、幹部化し、事業成長につなげてきた経験をもとに、経営者の外国人雇用・海外人材活用・海外進出を支援しています。

外国人面接で失敗したくない経営者、海外人材を本気で戦力化したい経営者、国内の人材不足から抜け出したい経営者は、ぜひ、以下のサービスをご覧ください。


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松本尚典(経営コンサルタント)

URVグローバルグループ 

経営者の弱みを補強して売上を伸ばし、強みをさらに伸ばして新規事業を立ち上げるなど、相談者一人一人の個性を大切にしたコンサルティングで中小企業を成長させる。副業から始めて、独立で成功したい人も相談可能。

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