海外BtoC販売で売れる商品パッケージとは?現地市場と消費者に選ばれるデザイン戦略

松本尚典

松本尚典

テーマ:年商1億円 経営戦略 マーケティング


1、BtoC商品パッケージは、マーケティングミックスの重要な要素


海外に商品を販売する場合、その商品が、ディストリビューターや卸売事業者などに向けたBtoBの大量販売商品なのか、現地の消費者に直接選ばれるBtoCの個別販売商品なのかによって、採るべきマーケティング戦略は大きく異なります。

特に、BtoCで販売する商品のパッケージは、商品を保護するための単なる容器ではありません。

消費者に商品の価値を伝え、競合商品との差別化を図り、店頭やECサイトで購入を促す、重要なマーケティングツールです。


参考知識 マーケティングミックスとは?
マーケティングミックスとは、企業がマーケティング活動を行う際に、組み合わせて検討すべき要素を言います。
代表的な考え方が、4P戦略です。

4P戦略とは?
・Product戦略 商品戦略
・Price     価格戦略 
・Place    販路物流戦略
・Promotion  販売促進戦略 


BtoBとBtoCでは、販売促進の方法が異なるだけではありません。商品戦略の一環である商品パッケージにも、それぞれ異なる役割が求められます。

BtoB取引では、価格、品質、供給量、納期、取引条件などが、仕入れを判断する際の重要な要素になります。

一方、BtoC販売では、消費者が店頭やECサイトで商品を目にした、ごく短い時間の中で、

「これは何の商品なのか」
「自分にどのような価値があるのか」
「なぜ、ほかの商品ではなく、この商品を選ぶべきなのか」

という疑問に答えなければなりません。

そのため、BtoCの商品パッケージには、商品の内容、品質、用途、利用場面、ブランドの世界観などを、直感的に伝える役割が求められます。

更に、海外で商品を販売する場合、日本国内以上に、パッケージデザインが重要な販売要因となります。

海外市場では、日本国内で築いてきた企業名や商品名の認知度を、そのまま活用できるとは限りません。

日本では広く知られている商品であっても、海外の消費者から見れば、初めて目にする無名の商品である場合が少なくないのです。

そのような市場では、商品パッケージそのものが、現地の消費者と商品との最初の接点になります。

したがって、海外向けの商品パッケージを検討する際には、単に日本語を外国語に翻訳するだけでは不十分です。

現地で使用される言語や法定表示への対応に加えて、消費者が好む色彩、文字の大きさ、写真やイラストの表現、商品の利用場面、価格帯、販売店舗の雰囲気、競合商品の陳列状況などを総合的に検討する必要があります。

また、ECサイトで販売する場合には、実店舗の棚で目立つデザインと、スマートフォンの小さな画面に表示された商品画像で選ばれるデザインが、必ずしも同じではありません。

海外BtoC販売で成果をあげるためには、販売価格、販路、広告、物流と商品パッケージを別々に考えるのではなく、一つのマーケティングミックスとして設計することが重要なのです。

海外 商品パッケージ

2、重要な検討要素は、国ではなく、宗教・民族・所得層のコミュニティ別


僕は、URVグローバルグループの総合商社事業で、海外への商品輸出をご相談いただく企業様から、次のような質問を受けることがあります。

「●●国で売りたいのですが、今のパッケージのままで大丈夫でしょうか?」

この質問に対して、僕は、国名だけを基準に商品パッケージを決めるべきではないと、お答えしています。

一つの国の中にも、宗教、民族、使用言語、所得層、年齢、生活習慣、居住地域などが異なる、複数の消費者コミュニティが存在するからです。

海外販売に精通している企業は、国ごとのパッケージではなく、販売対象となるコミュニティごとにパッケージを検討します。

例えば、同じ国の消費者であっても、高所得者層が利用する高級スーパーマーケットと、日常的な価格を重視する量販店とでは、消費者が商品に期待する価値が異なります。

高級店では、原材料の品質、希少性、産地、製造技術、ブランドストーリーなどが重視される一方、量販店では、価格の分かりやすさ、容量、使いやすさ、日常生活との親和性などが、購入を左右する場合があります。

また、宗教によって、使用できる原材料、製造工程、認証表示、食べ方、贈答習慣などが異なる商品もあります。

イスラム圏向けの食品であれば、ハラールへの対応が重要になります。ヒンズー教徒や菜食主義者を対象とする商品では、原材料や製造工程を分かりやすく伝える表示が、購入時の安心につながります。

国内での販売では、顧客像を具体化するために、個人単位のペルソナを設定してマーケティングを行います。

一方、海外販売では、個人単位のペルソナだけでなく、宗教、文化、所得層、使用言語、販路などを共有するコミュニティ単位のペルソナを設定する方法が有効です。

弊社では、このコミュニティ単位の分析を基礎として、商品パッケージの方向性を決定しています。

例えば、シンガポールは、中華系、マレー系、インド系をはじめとする多様な民族と宗教、文化が共存する市場です。

更に、シンガポール国民や永住者だけでなく、駐在員、海外からの専門人材、外国人労働者、観光客なども多く、同じ国内でも消費者の生活様式や購買力は大きく異なります。

したがって、「シンガポール向け」という一つの括りだけで商品パッケージを設計することは、十分ではありません。

日本企業の商品をシンガポールで販売する場合でも、例えば、


・高級スーパーマーケットを利用する富裕層コミュニティ
・品質と価格のバランスを重視する中間所得層コミュニティ
・ハラール対応を重視するイスラム教徒のコミュニティ
・菜食対応や原材料表示を重視する消費者コミュニティ


このうち、どのコミュニティを主要な販売対象とするのかによって、商品パッケージの表現は大きく異なります。

同じ商品であっても、高級市場を狙うのであれば、日本の産地、職人性、希少性、伝統、品質管理などを前面に打ち出すことが有効です。

一方、日常消費市場を狙うのであれば、商品の用途、内容量、価格に対する価値、調理方法、保存方法などを、分かりやすく伝える必要があります。

また、現地の消費者が、日本の商品に対して何を期待しているのかを把握することも重要です。

「日本製であること」を大きく表示すれば、必ず売れるわけではありません。

安全性、品質、健康、伝統、高級感、かわいらしさ、機能性など、日本商品に対して抱かれているイメージの中から、対象とするコミュニティに最も響く価値を選び、パッケージ上で具体的に表現する必要があります。

このように、海外市場の商品パッケージを設計する際には、国という大きな括りだけで判断するのではなく、宗教、民族、所得層に加えて、年齢、生活習慣、使用言語、販売チャネル、購買目的などを分析しなければなりません。

そして、その分析結果を、色彩、写真、イラスト、書体、商品名、説明文、内容量、認証表示、パッケージの材質や形状にまで落とし込んでゆく必要があります。

海外販売において商品が売れない原因は、必ずしも商品の品質や価格にあるとは限りません。

日本では商品の魅力が十分に伝わるパッケージであっても、海外の消費者に商品の用途や価値が理解されず、手に取られていない可能性があります。

中小企業や個人事業主が、限られた予算で海外BtoC販売に挑戦する場合、最初から大量の商品を製造し、大規模な広告費を投入することには、大きなリスクがあります。

まず、対象市場と販売コミュニティを絞り込み、競合商品や売場を調査したうえで、小規模なテスト販売を行い、消費者の反応を確認しながら、商品パッケージを改善してゆく方法が現実的です。

弊社では、海外販売用の商品パッケージデザインを、現地市場と消費者コミュニティに精通したリサーチャーと、日本の商品価値を理解するデザイナーが、チームを組んで企画・製作します。

単に見栄えのよいパッケージを製作するのではありません。

対象国の市場環境、販売コミュニティ、競合商品、価格帯、販売チャネルを調査し、海外の消費者に「商品の価値が伝わり、選ばれ、購入される」パッケージを設計します。

現在の国内向けパッケージを、そのまま海外で使用できるのかを検討したい企業様、海外向けにパッケージを全面的に再設計したい企業様、輸出前に市場調査から相談したい企業様は、是非、以下のページをご覧ください。


海外で「見られる」だけでなく、「選ばれ、購入される」商品パッケージへ
URVグローバルグループの海外販売用商品パッケージデザインプロジェクト
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松本尚典
専門家

松本尚典(経営コンサルタント)

URVグローバルグループ 

経営者の弱みを補強して売上を伸ばし、強みをさらに伸ばして新規事業を立ち上げるなど、相談者一人一人の個性を大切にしたコンサルティングで中小企業を成長させる。副業から始めて、独立で成功したい人も相談可能。

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