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  1. 会社を成長させる その第四の壁 ~年商3000万円突破のための「組織化の壁」~
松本尚典

年商5億円の壁を突破したい社長のための経営コンサルタント

松本尚典(まつもとよしのり) / 経営コンサルタント

URVグローバルグループ 

コラム

会社を成長させる その第四の壁 ~年商3000万円突破のための「組織化の壁」~

2020年5月19日 公開 / 2020年7月8日更新

テーマ:売上 組織 売上をあげる

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 所得税 計算経営戦略組織マネジメント

年収3000万円の壁は、個人事業の限界の壁


「個人事業主から会社に変更するタイミングというのは、どのあたりが適切でしょうか?」

これはよく、私が個人事業主の方から聞かれる質問です。

税務の切り口から考える


税務的に言いますと、例えば、企業から報酬をえている個人事業主の源泉徴収額は、通常、10.21%ですが、月額の報酬が100万円をこえると、倍額の20.42%にアップします。

この20%を超える源泉徴収というのは、外国人が不動産を売却した所得などに課せられる源泉徴収額と同じ率です。月額の売り上げが100万円をこえてくると、個人での事業ではかなり限界に近いといえます。従って、このあたりで、会社を設立し、所得税の世界から法人税の世界に移行したほうがよいということになりますね。

個人の所得に課税する所得税と、企業の所得に課税する法人税では、完全に後者のほうが、様々な点で有利です。従って、売上が年間1000万円をこえることを睨み、会社組織を設立することが得策といえます。

以上は、税務から考えた組織化の時期の質問に対する答えです。

売上の切り口から考える


一方、今度は、経営の世界の観点から、個人事業の限界を考えてみましょう。

例えば、高額な所得をえる個人事業主の典型が、弁護士業でしょう。医師の世界は、医療法人で開業するのが当たり前ですが、弁護士事務所は個人事業で開業するのが、寧ろ普通です。

これは、一昔前まで、弁護士会が、弁護士の倒産の回避という理由で、弁護士が組織の役員に就任することを禁じていた時代の名残ともいえます。

さて、そんな弁護士の先生方と、酒飲み話で、弁護士事務所の経営の内情をお聴きすると、よくこのような話を耳にします、

「独立している弁護士は、売上が年商1000円を超すことは簡単だけど、3000万円を超えるところで、足踏みするんだよね。それを超えられない人が殆どだね。」

この話は、個人事業の限界を最も象徴していると私は思います。

士業の世界では、税理士業務は、「顧客さえくれば」、比較的手離れのよい業務と言われています。実際、税理士事務所では、申告書類を税理士が作成している事務所は、寧ろ少なく、ほとんどが、資格のない補助者が作成しているのが実情です。これは、税理士業務が、企業の決算や確定申告が集中する3月と12月に集中し、税理士の先生一人では業務が賄いきれないという事情も関連しています。

一方、弁護士の業務は、法律相談や訴訟業務が多く、補助者に丸投げできる業務が、非常に限られているのが実情です。つまり、弁護士の先生が自分で行わなければならない業務が、非常に多いのが、弁護士という仕事の性格です。当然、法廷には自分で出ていかなければなりませんので、印鑑だけ書類に押せば、作成から申請まで補助者ができる税理士などの業務とは質が異なります。

つまり、弁護士業務は、非常に「手離れが悪い」業務、組織化に限界がある業務です。
そこが、「売上の年商1000円を超すことは簡単だけど、3000万円を超えることが難しい」ということの原因です。

換言すれば、経営的に言いますと、個人事業主が、自分の力を中心に仕事をすると、安定的に超えることができないのが、まさに、「3000万円の壁」なのです。

弁護士のように、社会的にステイタスが高い資格士業の場合は、個人事業主でも、従業員は集まりますが、通常の個人事業主は、個人で経営をしている場合、従業員の募集は、会社組織と比較しても非常に難しく、組織化が難しいといえます。

組織化に脱皮するために、経営者に必要なこと


年商1000万円をこえたあたりの事業の場合、自分が一人で仕事をしたほうが、効率もよく、仕事もはかどります。売上1000万円程度の事業では、むしろ、ヒトをやとえば、高い固定費リスクを背負ってしまいます。だから、この領域の場合、むしろ、自分一人で頑張りぬくことのほうが、あっています。

しかし、これでは、年商3000万円を超えることが難しくなります。この壁を超えるには、自分が頑張ればいい、という発想から脱却し、組織をつくり、その力で個人の力の限界を超えてゆく発想が必要です。

これが、年商3000万円の壁です。

組織を創ると、PDCA(P=計画化、D=行動、C=検証、A=実行)のサイクルをメンバーで共有し、メンバーの動きを、組織の目標に向けて統合する管理が必要になります。

これを適切に行えないと、組織は、バラバラな個人が勝手に活動する、非効率な集団と化します。

状況に応じて、メンバーのマメネジメントを変えていくことも求められます。

そして、組織管理には、管理者の経験と、ヒトの心を捉える人間力も求められます。ヒトは、給料を払えば、こちらの思うように動くようなものではありません。仕事に対する動機付けも重要なことになります。

私も、長年、企業の管理職として経験を積み、かつ失敗も重ねながら学んできました。会社を複数経営する経営者となり、多くのヒトを使うようになった今でも、ヒトを管理し、その力を発揮させて、組織の目標を達成することの難しさに、日々、向き合っています。

経営コンサルタントとして、多くの経営者の皆さんから、人的管理・組織管理の相談を受け、私自身も自分の経験を踏まえながら、日々、勉強と経験を積んでいます。

このような努力を開始することが、年商3000万円の壁の突破には必要になります。

続く

この記事を書いたプロ

松本尚典

年商5億円の壁を突破したい社長のための経営コンサルタント

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