風俗トラブルの時効早見表|公訴時効と民事の消滅時効はいつ終わるのか
路上で声をかけてきた女性、いわゆる「立ちんぼ」の女性と会った後になって、本人や知人を名乗る人物から「あの子は未成年だった」と告げられ、強い不安を抱えてご相談に来られる方がいます。相手が18歳未満であれば、成人どうしの場合とは法律上の扱いが大きく異なり、重い刑事責任が問題になることがあります。一方で、その連絡が事実を伝えるものなのか、金銭を引き出すための口実なのかは、言われた時点では分からないことも少なくありません。
この記事では、「未成年だった」と言われたときに問題になり得る法律、「知らなかった」がどのように評価されるか、連絡してきた相手ごとの考え方、言われた直後に避けたい対応を順に整理します。
本記事は2026年10月時点の法令に基づいて解説しています。売春防止法については、法務省の検討会で「買う側」への規制のあり方が議論され、法改正に向けた動きが続いています。今後の改正の内容によっては、記事中の説明が当てはまらなくなる場合があります。
成人どうしの場合と、相手が18歳未満の場合の違い
売春防止法は「何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない」と定めていますが(売春防止法3条)、現行法では、相手方となった客の側を処罰する規定は置かれていません。そのため、相手が成人であれば、客の側が売春防止法違反で処罰されることは基本的にありません。
これに対し、相手が18歳未満であった場合は、別の法律が問題になります。主なものは次のとおりです。
| 問題になり得る法律 | どのような場合か | 法定刑 |
|---|---|---|
| 児童買春・児童ポルノ禁止法(児童買春) | 18歳未満の者に対価を渡し、または渡す約束をして性交等をした場合 | 5年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金 |
| 刑法(不同意性交等罪) | 相手が13歳未満の場合、または13歳以上16歳未満で行為者が5歳以上年長の場合(同意の有無を問わない) | 5年以上の有期拘禁刑 |
| 児童買春・児童ポルノ禁止法(児童ポルノ製造など) | 18歳未満の者の性的な姿態を撮影した場合など | 3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金など |
| 青少年健全育成条例 | 18歳未満の者とのみだらな性交等をした場合 | 条例ごとに定め |
なお、対価を伴う行為については、条例ではなく主に児童買春・児童ポルノ禁止法の問題として扱われます。立ちんぼの場合、金銭のやり取りがあることがほとんどですので、中心になるのは児童買春の成否です。
「未成年だとは知らなかった」はどう評価されるか
児童買春は、相手が18歳未満であることを認識していた場合に成立する犯罪です。ただし、ここでいう認識は「18歳未満だとはっきり分かっていた」場合に限られず、「18歳未満かもしれないが、それでも構わない」という程度の認識(未必の故意)でも足りると考えられています。
本人が「知らなかった」と述べても、それだけで結論が決まるわけではありません。実際には、次のような事情を総合して、当時どのような認識だったかが判断されます。
- 相手の外見、服装、持ち物(学生であることをうかがわせる物の有無など)。
- 会話の中に出た学校・学年・年齢に関わる話題。
- 相手が名乗った年齢と、それを聞いたときの状況。
- 会った場所や時間帯。
- 前後のSNSやメッセージのやり取りの内容。
立ちんぼでは、身分証で年齢を確かめることがほとんどなく、本人の申告だけで判断していることが多いと思われます。「確かめようがなかった」という事情がある一方で、「確かめないまま応じた」こと自体が、未必の故意をめぐる議論で不利に働くこともあります。年齢を偽られていた場合でも、それだけで直ちに責任を免れるとは限らず、その申告を信じたことがやむを得ないといえる事情があったかが問われます。
参考までに、店の経営者のように児童を使用する立場の者については、年齢を知らなかったことに過失がない場合に限って処罰を免れる、という規定が別に置かれています(児童福祉法60条4項)。客の側の児童買春にはこのような規定はなく、あくまで当時の認識が問題になります。取調べの場面で、条例上の年齢確認義務を持ち出して認識を認めるよう求められることがあるものの、対価を伴う行為には条例ではなく児童買春の規定が適用されるため、その説明に引きずられないよう注意が必要だと指摘する弁護士もいます。
誰から、何のために言われたのかを分けて考える
女性本人から連絡が来た場合
本人から「実は高校生だった」「年齢をごまかしていた」と伝えられる場合があります。打ち明けるだけのこともあれば、金銭や今後の関係を求めてくることもあります。18歳未満である可能性がある相手と、その後も個人的に連絡を取り続けたり会ったりすることは、それ自体が新たな問題を生むおそれがあります。返信の内容を決める前に、まず相談していただくのが安全です。
交際相手や知人を名乗る男性が出てきた場合
「未成年に手を出したな」「警察に行かれたくなければ払え」といった形で、女性の背後にいる人物から金銭を求められることがあります。年齢を裏付ける資料を示さないまま金額だけを提示してくる場合や、支払うと次の要求が続く場合には、いわゆる美人局や恐喝の可能性も考えられます。
ただし、要求のしかたが恐喝にあたるとしても、相手が実際に18歳未満であれば、こちら側の刑事上の問題が消えるわけではありません。「脅されているから自分は被害者だ」とだけ考えて動くと、対応の順序を誤るおそれがあります。
警察から連絡が来た場合
補導された女性の供述や、押収されたスマートフォンのやり取りの記録から、客の側が特定されることがあります。警察から電話で事情を聞きたいと言われた段階であれば、出頭の日時や話す内容を整理する時間が残っていることが多いため、応じる前に弁護士へ相談することをおすすめします。
「払えば警察には言わない」と持ちかけられたとき
口止めと引き換えに金銭を支払っても、それで刑事手続が止まる保証はありません。児童買春は被害者の告訴がなくても捜査・起訴ができる犯罪であり、第三者に金銭を払ったことで警察が動かなくなる仕組みにはなっていません。むしろ、後に捜査が始まった場合に、事件を隠そうとしたと受け取られるおそれもあります。
相手が実際に18歳未満で、被害の回復を図る必要がある場合、示談の相手方は通常、本人ではなく親権者などの法定代理人です。女性本人や知人を名乗る人物に現金を渡しても、それは示談とは評価されにくく、のちに保護者との間で改めて話し合いが必要になることがあります。
言われた直後に避けたい対応
- 相手に身分証や年齢の証明を見せるよう求め、やり取りを続けること。
- 求められるままに現金を渡したり振り込んだりすること。
- 自己判断でメッセージや写真、通話履歴を消すこと。
- 相手の自宅や学校を探したり、周囲に事情を聞いて回ったりすること。
- 家族や職場に知られないことだけを優先し、事実と異なる説明を固めてしまうこと。
やり取りの記録を消すと、捜査の場面で罪証隠滅のおそれがあると評価され、逮捕や勾留の判断に影響することがあります。また、写真や動画が残っている場合、その扱い自体が別の問題につながることもあります。端末の中のデータには手を付けず、そのままの状態で弁護士にご相談ください。
弁護士に相談するとできること
まず、いつ、どこで会い、相手が年齢について何と言い、何を渡したのかを時系列で整理します。そのうえで、連絡してきた相手と目的を見極め、今後の見通しを立てます。
金銭の要求が続いている場合には、弁護士が窓口となって、本人に代わって相手方とやり取りすることができます。相手が実際に18歳未満である可能性が高い場合には、保護者との示談の検討や、自首・出頭をするかどうかの判断、取調べへの臨み方などについて、事情に応じて助言します。自首は捜査機関に事件や犯人が発覚する前に申し出ることで成立するものなので、検討するのであれば時期が重要になります。どの対応が適切かは事案ごとに異なり、結果をお約束できるものではありませんが、早い段階ほど選べる手立ては多く残ります。
よくあるご質問
相手が「18歳」「大学生」と言っていた場合でも罪に問われますか
申告された年齢を信じていたことは、認識を判断するうえで重要な事情の一つです。ただし、外見や会話の内容など、ほかの事情と合わせて評価されるため、申告があったことだけで結論が決まるわけではありません。当時のやり取りが残っていれば、それも判断材料になります。
相手が本当に未成年かどうか、自分で確かめる方法はありますか
個人で確かめる手段はほとんどなく、確かめようとして相手に接触を続けることは避けたほうが無難です。示談などの話し合いに進む場合には、弁護士を通じて相手方に必要な確認を求めることになります。
性交をしていなければ問題になりませんか
児童買春でいう「性交等」には、性交のほか、性交類似行為や、性的な目的で性器等を触る・触らせる行為も含まれます。どこまでの行為があったかによって評価が変わりますので、具体的な内容を弁護士にお伝えください。
時間が経ってから連絡が来ることはありますか
あります。女性が別の機会に補導され、その際に過去のやり取りが確認されることもあります。児童買春の公訴時効は5年で、16歳未満の相手との不同意性交等罪はさらに長く、被害者が18歳未満の場合には期間が延びる仕組みも設けられています。
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まとめ
立ちんぼの女性と会った後に「未成年だった」と言われた場合、それが事実か、金銭目的の口実かを見極めることと、事実であった場合の刑事上の見通しを立てることの両方が必要になります。どちらか一方だけを見て動くと、支払っても終わらない、あるいは対応が後手に回るといった結果になりかねません。連絡に応じる前、金銭を渡す前、警察に出向く前のいずれかの段階で、一度ご相談ください。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


