パパ活相手からストーカー・脅迫被害|身バレを防ぎながら止める方法
マッチングアプリで知り合った女性と会った後になって、「実は未成年だった」「このままでは警察に言う」などと連絡が入り、金銭を求められる——こうした相談は少なくありません。突然のことに動揺し、その場でお金を渡してしまう方もいますが、支払いによって問題が収まるとは限らず、かえって請求が続くこともあります。
この記事では、こうした場面で押さえておきたい二つの視点、すなわち「相手が本当に未成年だったのかという事実確認」と「脅し・金銭要求への対応」を整理します。
まず起きていることを切り分ける
「未成年だった」と告げて金銭を求めてくる連絡には、大きく分けて二つの可能性があります。
一つは、相手が実際には成人であるにもかかわらず、未成年を装って金銭を引き出そうとしているケースです。マッチングアプリを悪用したいわゆる美人局(つつもたせ)では、こうした手口が用いられることがあります。
もう一つは、相手が実際に18歳未満だったケースです。この場合は、金銭要求とは別に、ご自身の行為が法律に触れる可能性という論点も生じます。
どちらの可能性であっても、脅されたその場で支払いを即断することは望ましくありません。相手が成人であれば支払う理由はなく、相手が未成年であっても、支払いは刑事上の問題を解消するものではないうえ、一度応じると名目を変えて請求が繰り返される例が見られるためです。
事実確認|本当に未成年だったのかを確かめる
対応を考えるうえで出発点になるのが、相手が本当に18歳未満だったのかという事実確認です。次のような点が手がかりになります。
- 相手が申告していた年齢と、当日示された言動や状況に食い違いがないか
- マッチングアプリ登録時やメッセージのやり取りで、年齢に関するどのような情報があったか
- 金銭の授受(対償)が実際にあったのか、あるとすればどのようなやり取りだったのか
- アプリ上の会話、連絡先の交換、当日のメッセージなどの記録が残っているか
これらは、相手の主張が事実かどうかを見極める材料であると同時に、後日弁護士や警察に相談する際の資料にもなります。相手とのやり取りは、こちらから削除せずに保存しておくことをおすすめします。
事実確認を先に置くのは、相手が成人だった場合と未成年だった場合とで、法的な位置づけが大きく変わるためです。
相手が未成年だった場合に関係しうる主な法律
相手が実際に18歳未満だった場合、状況に応じて次のような規定が関係します。いずれも成立の有無は個別の事情によって判断されます。
- 児童買春・児童ポルノ禁止法違反:金銭などの対償を渡して18歳未満と性交等をした場合が対象で、法定刑は5年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。相手が18歳未満であると認識していたこと(故意)が要件とされます。
- 青少年保護育成条例(いわゆる淫行条例)違反:18歳未満との性的な行為を規制するもので、法定刑は2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金とされます(内容は都道府県により異なります)。年齢を知らなかった場合でも、知り得たといえる事情があれば成立しうる一方、注意を尽くしても知り得なかったといえるときは成立しないと考えられています。
- 不同意性交等罪・不同意わいせつ罪(刑法177条・176条):2023年に性交同意年齢が16歳に引き上げられ、16歳未満との性的な行為は、同意の有無にかかわらず問題となりうるとされています(13〜15歳については行為者が5歳以上年長であることなどが要件です)。
「20歳と聞いていた」「見た目からは未成年とは思えなかった」といった事情が実際にあったとしても、それだけで問題がないと自己判断するのは難しい領域です。相手が未成年だった可能性がある場合は、支払いに応じる前に、弁護士に相談して見通しを確認することが現実的です。
恐喝への対応|金銭要求への向き合い方
相手の年齢がどうであれ、「金を払わなければ警察に言う」「会社にばらす」といった形で金銭を求める行為は、それ自体が犯罪となりうるものです。
脅し・金銭要求が該当しうる犯罪
- 恐喝罪(刑法249条1項):人を脅して財物を交付させた場合に成立し、法定刑は10年以下の拘禁刑です。
- 脅迫罪(刑法222条):生命・身体・自由・名誉・財産に害を加える旨を告げた場合に成立し、法定刑は2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。
- 強要罪(刑法223条):脅迫や暴行によって義務のないことを行わせた場合に成立し、法定刑は3年以下の拘禁刑です。
その場で取るべき対応
複数人に取り囲まれるなど身の安全に不安がある状況では、その場で抵抗や逃走を試みるのは避け、まずは安全を確保することが優先されます。そのうえで、次の点を意識しておくとよいでしょう。
- 支払いをその場で即断しない
- 相手の連絡先、やり取りの内容、日時などを記録として残す
- 身分証や名刺を撮影された場合も含め、状況を整理しておく
一度支払っても解決とは限らない
金銭を渡すことで一時的に相手が引き下がっても、後日別の名目で追加請求が来る例は少なくありません。相手の氏名・住所が分からない場合でも、弁護士会照会などを通じて身元を特定し、代理人名義での交渉や合意書の作成によって、再発を防ぐ形での解決を図れる場合があります。
まとめ
「未成年だった」と告げられて金銭を求められたときは、まず相手が本当に未成年だったのかを冷静に確認し、そのうえで脅し・金銭要求への対応を考えることが大切です。相手が成人を装った美人局であれば支払う理由はなく、相手が実際に未成年であった場合も、その場での支払いは問題の解消につながりにくいうえ、請求が繰り返されるおそれがあります。
家族や職場に知られたくない、警察には相談しづらいといった事情から一人で抱え込んでしまう方も少なくありませんが、弁護士が代理人として間に入ることで、依頼者の氏名を相手に伝えることなく交渉を進められる場合があります。判断に迷う場合は、支払いに応じる前に一度ご相談ください。


