【解決事例】店舗型風俗店のキャストに貸した200万円|LINE履歴と弁護士会照会で回収に至った事例
本記事は、風俗店を利用した客の立場から、東京以外の地域にある店とのトラブルを想定して解説しています。内容は2026年10月時点の法令と運用をもとにしています。
出張先や旅行先、帰省先で利用した店とトラブルになり、東京に戻ってから「店が遠いので、現地の弁護士でないと対応できないのではないか」と迷う方は少なくありません。反対に、地方にお住まいで地元の店とトラブルになったものの、身近な地域の事務所には相談しにくく、東京の弁護士に頼めるのかを知りたいという方もいます。
結論からいえば、店の所在地がどこであっても、東京の弁護士に依頼することはできます。ただし、事案の進み方によっては現地への移動が必要になる場面があり、費用や対応の早さに影響することがあります。本記事では、遠方の店とのトラブルを東京の弁護士に任せる場合の進み方、現地対応が必要になりやすい場面、依頼先を選ぶときの考え方を整理します。
弁護士の仕事に「担当地域」の制限はない
弁護士は、事務所のある地域の弁護士会に所属しています。ただ、これは登録上の所属であり、仕事をしてよい地域を限るものではありません。東京の弁護士会に所属する弁護士が、北海道や九州の店を相手に交渉することも、地方の警察署に留置されている方に接見することも、制度上は問題なく行えます。
風俗トラブルの多くは、店や女性から金銭を求められ、その金額や条件を話し合う「民事の交渉」が中心です。この交渉は電話や書面、メールなどで進められることが多く、弁護士と相手方が顔を合わせなければ進まないものではありません。そのため、店が遠方にあることだけを理由に、東京の弁護士を依頼先の候補から外す必要はないといえます。
出張や旅行から戻った後の交渉の組み立て方は、【風俗トラブル】出張先・旅行先の店でトラブル|東京に戻ってからの交渉でも解説しています。
遠方の店との交渉はどのように進むのか
東京の弁護士が遠方の店との交渉を引き受けた場合、一般的には次のような順序で進みます。
- ご相談を受け、請求の内容や利用時の状況、手元にある書面を確認します。
- 受任後、弁護士から店側に連絡し、以後の窓口を弁護士に一本化するよう伝えます。
- 店側の請求の根拠や金額、女性本人の意向がどこまで確認されているかを聞き取ります。
- 条件が整えば示談書の案を作り、郵送などで署名・押印を取り交わします。
- 支払いがある場合は振込など記録の残る方法で行い、受領を確認します。
窓口を弁護士に移すことの意味
遠方の店とのトラブルでは、店側から「直接来て話をしてほしい」「現金を持ってきてほしい」と求められることがあります。土地勘のない場所へ一人で出向くと、その場の雰囲気に押されて、内容を確かめないまま書面に署名してしまうおそれがあります。弁護士が窓口になれば、ご本人が現地へ出向かずに話し合いを進められることが多く、移動の負担と、その場で判断を迫られる状況の両方を避けやすくなります。現金での受け渡しを求められたときの考え方は、【風俗トラブル】示談金を現金で持ってこいと言われた|受け渡しの場所と方法を決める前にで取り上げています。
相手方の確認は遠方でも省けない
店が遠方にある場合でも、示談の相手が誰なのか、女性本人の意思が反映されているのかを確かめる手順は変わりません。店の担当者とだけ話をまとめても、女性本人から別に請求されたり、被害届が出されたりする余地が残ることがあります。本人確認の大切さについては、【風俗トラブル】支払った後に相手が別人だと分かった|本人確認をしない示談の危うさもあわせてご覧ください。
なお、弁護士でない店の関係者が、報酬を得る目的で女性に代わって示談交渉を行うことは、弁護士法との関係で問題になり得ます。地方の店の関係者が、客との示談交渉をしたとして弁護士法違反の疑いで逮捕されたと報じられた例もあります。店側が交渉を強く主導してくる場合ほど、こちらも弁護士を窓口にしておく意味は大きいといえます。
現地への移動が必要になりやすい場面
民事の交渉だけで話がまとまる場合、現地へ行く必要はほとんど生じません。一方で、警察が関わる段階に進むと、事件のあった地域で手続が行われるため、移動を考える必要が出てきます。
| 場面 | 現地対応の要否 | 考えておくこと |
|---|---|---|
| 店との金銭の話し合いのみ | 多くの場合は不要 | 電話・書面・郵送で進められることが多い |
| 警察から任意の出頭を求められた | ご本人が事件地の警察署へ出向くことが多い | 日程の調整、弁護士の同行の要否 |
| 逮捕・勾留された | 弁護人が留置先へ接見に行く必要がある | 移動の時間と費用、当番弁護士の利用 |
| 店や女性から訴訟を起こされた | 店側の地域の裁判所になることもある | ウェブ会議での参加の可否 |
警察から呼び出しを受けた場合
被害届が出されると、捜査は原則として事件のあった地域の警察署が担当します。そのため、東京に住んでいても、呼び出しは現地の警察署から来るのが通常です。出頭の日程は、仕事の都合などを伝えて相談できる場合もあります。弁護士が同行するかどうかは、事案の内容や移動の負担を踏まえて決めることになります。被害届が受理された後の流れは、【風俗トラブル】被害届が受理されたと言われた|その後の流れと呼び出しまでの期間で解説しています。
逮捕された場合
逮捕・勾留されると、身柄は事件地の警察署などに置かれます。弁護人が接見するには留置先まで出向く必要があり、東京の弁護士が担当する場合は移動の時間と交通費がかかります。逮捕直後であれば、各地の弁護士会が運営する当番弁護士制度により、現地の弁護士の接見を1回無料で受けられます。勾留された後は、一定の要件のもとで国選弁護人が選ばれる制度もあります。現地の弁護士と東京の弁護士のどちらが担当するのがよいかは、勾留の見込みや示談の進み具合によって変わります。遠方で逮捕や被害届が問題になる場面については、出張・旅行先での風俗トラブル|遠方で逮捕・被害届が出たらどうなるで詳しく取り上げています。
訴訟を起こされた場合
風俗トラブルの請求の多くは交渉の段階で話し合われますが、店や女性が訴訟を起こすことも考えられます。民事訴訟は、訴えられる側の住所地のほか、不法行為があった地や支払いをすべき地を管轄する裁判所にも起こせるため、店の地域の裁判所で起こされることがあります。もっとも、近年は民事裁判の手続でウェブ会議の利用が広がっており、期日のたびに現地へ出向かなくても対応できる場面が増えています。
東京の弁護士と地元の弁護士、どちらを選ぶか
遠方の店とのトラブルでは、東京の弁護士と店の地域の弁護士のどちらに頼むのがよいかで迷う方もいます。どちらが正解ということはなく、事案の状況とご自身の事情を踏まえて考えることになります。
| 比べる点 | 東京の弁護士 | 店の地域の弁護士 |
|---|---|---|
| 面談のしやすさ | 東京在住なら事務所で直接話しやすい | 現地まで出向く必要がある |
| 店との交渉 | 電話・書面で進めやすい | 現地での面談という選択肢もとりやすい |
| 警察署・接見への対応 | 移動の時間と費用がかかる | 移動の負担が小さい |
| 費用 | 交通費や日当が加わることがある | 移動にかかる費用は抑えやすい |
判断の目安としては、民事の交渉で収まりそうな段階であれば、ご自身が相談しやすい場所の弁護士を選ぶという考え方があります。反対に、すでに逮捕されている場合や、警察署への出頭が何度も見込まれる場合には、現地での動きやすさを重視する考え方もあります。また、風俗トラブルは、店側とのやり取りの進め方や示談書に入れる条項など、取り扱った経験によって見通しの立て方が変わりやすい分野です。所在地だけでなく、こうした事案の取扱いがあるかどうかも確かめておくと安心です。
地方にお住まいの方の中には、地域の人間関係が気になり、身近な事務所には相談しにくいと感じる方もいます。弁護士には守秘義務があり、相談内容が外部に伝わることは原則としてありませんが、気持ちのうえで相談しやすい依頼先を選ぶことも、早めに動き出すためには大切です。自分で対応するか弁護士に任せるかの分かれ目は、【風俗トラブル】店との交渉を自分でするか弁護士に任せるか|分かれ目になる5つの事情で整理しています。
遠方の弁護士に依頼する前に確かめておきたいこと
店の地域から離れた事務所に依頼するときは、遠方ならではの点を事前に確認しておくと、後から思わぬ負担が生じるのを防ぎやすくなります。
- 現地へ出向く場合の交通費・宿泊費・日当の扱い。
- 現地対応が必要になったときに動ける時期の目安。
- 電話・メール・LINEなど、遠方からでも使える連絡手段。
- 警察の捜査が始まった場合の方針と費用の考え方。
- 風俗トラブルの取扱いの有無。
見積もりで確認しておきたい項目は見積書のどこを見るか|風俗トラブルの弁護士費用の確認項目、費用の全体像は風俗トラブルを弁護士に依頼した場合の費用相場と流れで解説しています。
相談の前に整理しておきたい情報
遠方の店とのトラブルでは、弁護士が現地の状況を直接見ることができないため、ご本人の手元にある情報が見通しを立てる手がかりになります。すべてそろっていなくても構いませんが、次のような点を書き出しておくと、相談を進めやすくなります。
- 店の名前、業態、所在地、連絡に使われている電話番号やアカウント。
- 利用した日時と場所(ホテル名や部屋番号など)。
- 店や女性から伝えられた内容(請求額、支払期限、警察への言及の有無)。
- その場で書いた書面や、渡した・撮影された身分証の有無。
- すでに支払った金額と、その方法。
- 今後、現地へ移動できる日程の目安。
記録の残し方については、【風俗トラブル】自分側の記録をどう作るか|相談の前に整理しておく材料も参考になります。店から呼び出されているなど急ぎの判断が必要な場合は、【風俗トラブル】深夜に店から呼び出された|翌朝まで待ってよいかの判断もご覧ください。
当事務所の対応
当事務所は東京(池袋・新橋)に事務所を置いていますが、これまでも北海道から九州までの各地の店をめぐる風俗トラブルについてご相談をお受けしてきました。店との交渉は電話や書面を中心に進め、事案によっては現地へ出向いて対応することもあります。出張先での盗撮トラブルで、示談後に届いた追加請求に対応した例は、【解決事例】出張先での盗撮トラブル|示談後に届いた追加請求への対応事例で紹介しています。
店が遠方にあるからといって、相談先の選択肢が限られるわけではありません。大切なのは、現地へ出向く前、書面に署名する前、支払う前の段階で、一度状況を整理しておくことです。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


