【風俗トラブル】出会い喫茶で知り合った女性と外で会った後、金銭を求められたら?

若井亮

若井亮

テーマ:風俗トラブル

出会い喫茶(出会いカフェ)で知り合った女性と店の外で会い、別れた後や数日たってから「約束と違う」「同意していないことをされた」などと言われ、お金を求められる。このような相談は、風俗店でのトラブルとは少し違う形をとります。店が間に入らない個人どうしのやり取りになるため、誰と、何について話し合えばよいのかが見えにくいからです。この記事では、求められているお金の性質を分けて考える方法と、払う前に確かめておきたいことを整理します。

本記事は2026年11月時点の法令にもとづいて書いています。相手が18歳未満である場合や、すでに被害届が出されている場合は扱いが大きく変わるため、早めに専門家へご相談ください。


出会い喫茶でのトラブルが風俗店と違う点

 出会い喫茶は、男性客が店内にいる女性と話をし、双方が合意すれば店の外へ一緒に出られる仕組みの店です。現在は風営法上、店舗型性風俗特殊営業の一つとして届出が必要な営業に位置づけられています。

 ただ、店が関わるのは店内での紹介と外出の手続までで、店を出た後に二人の間で決めた約束や、その後に起きたことについて、店が交渉の窓口になることは通常ありません。デリヘルやメンズエステのように「店から連絡が来る」のではなく、女性本人、あるいは女性の知人を名乗る人物から直接連絡が来るのが、出会い喫茶でのトラブルの特徴です。

 店を介さない相手とのトラブル全体の考え方については、立ちんぼ・個人売春の相手とのトラブル|店が存在しない場合でも解説しています。

外で会った後に求められるお金の主な形


求められ方相手の言い分の例最初に考えたいこと
当初の約束より多い金額「時間が延びた」「交通費が別にかかった」店を出る前に何を約束していたか
示談金・慰謝料「同意していない行為をされた」実際に何があったか、相手が何を求めているか
迷惑料・口止め料「家族や職場に知らせる」要求に脅しが含まれていないか
知人や交際相手を名乗る男性からの請求「自分の交際相手に手を出した」請求している人物と当事者との関係
調査員や団体関係者を名乗る人物からの請求「警察に話す」「家族に伝わる」その人物にお金を求める立場があるか
年齢を理由にした請求「実は18歳未満だった」年齢の事実と、店や本人とのやり取りの経緯


 弁護士ドットコムにも、出会い喫茶で知り合った女性とホテルに行った後に恐喝されているという相談や、ホテルを出た帰り道に「店をなくす活動をしている」「警察に協力している」と名乗る男性から声をかけられ、家族や会社に知られないためとしてお金を求められたという相談が寄せられています。名乗っている立場が本当かどうかは、その場では確かめられないことがほとんどです。

求められているお金を3つに分けて考える

 「払うべきか」を考える前に、求められているお金がどういう理由によるものかを分けておくと、取るべき対応が見えやすくなります。

当初の約束にもとづくお金

 店を出る際に決めた謝礼などのお金は、約束の内容によって扱いが変わります。性的な行為の対価として決めた約束であれば、民法90条の公序良俗に反するものとして、法的には請求できない約束と評価されることがあります。一方で、一度渡したお金を後から取り戻すことも、同じ理由から難しいとされる場面があります(民法708条)。約束の額を超える上乗せを求められた場合は、何の名目で、なぜその額なのかを確かめることが出発点になります。

「同意していない行為があった」とするお金

 相手が「同意していない行為をされた」と言う場合、問題は民事上の損害賠償にとどまらず、不同意わいせつ罪や不同意性交等罪といった刑事事件に関わる可能性があります。この場合、相手の言い分が事実かどうか、事実だとしてどの程度の損害といえるかが、金額を考える前提になります。身に覚えがない場合も、心当たりがある場合も、その場で認めたり強く否定したりせず、まずは何があったかを自分の側で整理しておくことが大切です。

脅しを伴って求められるお金

 「払わなければ家族や職場に知らせる」「警察に行く」といった言葉とともにお金を求められる場合、要求の仕方によっては恐喝罪(刑法249条)にあたることがあります。ただし、被害を受けたと考える人が、被害届を出すつもりだと伝えること自体が、ただちに違法になるわけではありません。正当な請求と、美人局のような要求とを見分ける視点については、美人局と正当な慰謝料請求の見分け方|払う前に確認すべきことで詳しく扱っています。

自分の立場も確かめておく|売春防止法と相手の年齢

 お金を求められたときに対応をためらう理由として、「自分も何かの罪に問われるのではないか」という不安を挙げる方は少なくありません。

 売春防止法は、売春をすることも、その相手方になることも禁じていますが、成人どうしの場合、当事者そのものを処罰する規定は置かれていません。処罰の対象となるのは、勧誘や周旋、場所の提供などの行為です。詳しくは対価を払って本番に至った場合|売春防止法上、客はどう位置づけられるかをご覧ください。

 一方で、相手が18歳未満だった場合は話が大きく変わります。対価を払って性的な行為をした場合は児童買春にあたる可能性があり、年齢を知らなかったという事情がどう評価されるかは、確認の経緯によって変わります。「未成年だった」と告げられた場合の考え方は、相手が18歳未満だった|「知らなかった」は通用する?児童買春・児童ポルノ禁止法で解説しています。年齢の話が出た時点で、ご自身の判断だけで交渉を進めず、弁護士に相談されることをおすすめします。

その場や直後に避けたい対応


  • 求められるままATMに行ったり、その場で現金を渡したりするのは避けたほうがよいでしょう。
  • 身分証や免許証を撮影させると、その後の連絡や請求の手がかりを相手に渡すことになります。
  • 金額を書いた念書や借用書には、内容を確かめる時間がない限り署名しないことをおすすめします。
  • 個人名義の口座への振込を急かされた場合は、振り込む前に一度立ち止まってください。
  • 相手を言い負かそうとしたり、SNSに書き込んだりすると、こちらの言動が新たなトラブルの種になるおそれがあります。
  • 怖くなってやり取りを削除すると、後で経緯を説明する材料が失われます。


 すでに書面に署名してしまった場合の考え方は脅されて署名した念書・示談書は有効か|「無効」と「取消し」の違いで、その場での支払いを迫られたときの判断は【風俗トラブル】「今すぐ払えばこの場で終わる」と言われた|即時払いを求められたときの判断で解説しています。

手元に残しておきたい記録

 出会い喫茶でのトラブルは、店を通した記録が残りにくい分、ご自身の手元の記録が経緯を示す材料になります。思い出せる範囲で、次のものをまとめておきましょう。

  • 店の名前、来店日時、外出した時刻。
  • 立ち寄った飲食店やホテルの名前と、入退室のおおよその時刻。
  • 店を出る前に相手と決めた内容と、実際に渡した金額。
  • LINEやSMSなど、相手とのやり取りのスクリーンショット。
  • 通話の日時と、言われた内容のメモ。
  • 相手に伝えた自分の情報(名前、電話番号、勤務先など)。


 とくに最後の「相手が自分について何を知っているか」は、今後の連絡や請求がどこまで及び得るかを考える手がかりになります。

すでに払ってしまった場合

 脅されて払ってしまったお金については、恐喝や強迫を理由に返還を求められる場合があります。一方で、前述のとおり性的な行為の対価として渡したお金は取り戻しにくいとされることもあり、払った経緯と名目によって見通しが分かれます。払ってしまった後に取り戻せるか|恐喝・強迫を理由とする返還もあわせてご覧ください。

 また、一度払うと、次も応じるだろうと見られて追加の請求が続くことがあります。支払いの後に再び連絡が来た場合は、2回目に応じる前にご相談いただくのがよいでしょう。

警察と弁護士、どちらに相談するか

 脅しを伴う要求を受けている場合は、警察に相談することができます。ただ、出会い喫茶を利用した経緯を話すことに抵抗を感じ、相談に踏み切れない方もいます。自分にも気になる点がある場合の警察相談の考え方は、自分にも非がある場合の警察相談|恐喝被害を申告する際の障害で整理しています。

 弁護士に依頼すると、弁護士が窓口となって相手と連絡を取るため、ご本人が相手と直接やり取りする必要はなくなります。相手が被害を訴えている場合は事実関係を確かめたうえで示談を検討し、根拠の乏しい要求と考えられる場合は応じない旨を伝えます。いずれの場合も、話し合いがまとまったときは、今後の接触をしないことなどを含めた書面を交わし、トラブルを終わらせることを目指します。

弁護士に相談した場合の進み方


  1. ご相談の際に、経緯と手元の記録をもとに、求められているお金の性質を一緒に整理します。
  2. 相手の言い分や身元を確認し、交渉の窓口を弁護士に切り替える連絡をします。
  3. 請求の根拠と金額を検討し、支払うべきものがあるか、ある場合はどの範囲かを相手と協議します。
  4. 合意に至った場合は、清算条項や接触禁止の条項を入れた書面を作成します。


よくあるご質問


相手が自分の本名を知らなければ、放っておいてもよいですか

 電話番号やLINEのアカウントから、思っている以上に情報がたどられることがあります。また、相手が被害を訴えて警察に相談した場合には、店の利用記録などから捜査が進むことも考えられます。本名を知られていないことだけを理由に放置するのではなく、求められている内容を確かめたうえで対応を決めるほうが安全です。

出会い喫茶の店に相談すれば、間に入ってもらえますか

 店の外で起きたことについて、店が当事者の代わりに交渉することは通常ありません。また、弁護士でない者が報酬を得る目的で他人の示談交渉を行うことは、弁護士法で禁じられています。店の記録が必要になった場合も含め、相手方とのやり取りは弁護士を通じて進めるほうが安全です。

一人で抱え込まずにご相談ください

 出会い喫茶で知り合った相手とのトラブルは、店という窓口がない分、相手の言い分だけが先に進みやすい傾向があります。求められているお金が約束にもとづくものなのか、被害の主張にもとづくものなのか、それとも脅しを伴う要求なのかを分けて考えることが、落ち着いて対応するための第一歩です。

同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。

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若井亮
専門家

若井亮(弁護士)

弁護士法人若井綜合法律事務所

風俗トラブルや男女トラブル、それに伴う刑事事件まで一貫して対応。累計相談件数は男女トラブル約23,000件、風俗トラブル約8,000件。全国からの相談を24時間受け付け、迅速な対応を心がけています。

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