マナーうんちく話2258《秋風を迎えいれ晩夏の情景や風習を楽しみたい葉月・8月》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

大暑、猛暑、炎暑、激暑等の言葉が全て当てはまりそうな日々が続いていますが、8月7日は、秋の気配がかすかに見える頃とされる「立秋」です。

秋が産声を上げるわけで、この日から次第に涼しくなっていくはずですが、実際には暑さがピークを迎える時でもあります。
ご自愛ください。


ところで「秋」の語源は、食欲の秋と言われるように、収穫期を迎え、食べ物が市場に「飽きるほど」多く出回るので、「飽きる」が「秋」に転じたという説が有力です。

心がわくわくするような語源ですが、秋の期間は暦と感覚の上では異なります。

日常生活では9月、10月、11月が秋ですが、二十四節気では立秋から立冬の前日になります。
また天文学的には「秋分」から「冬至」の前日までです。

そして夏の終わりは何とも言えない哀愁を覚えますが、過ぎ去る夏を惜しむ人もいれば、秋の到来を喜ぶ人もいるでしょう。

いずれにせよ、季節は遅かれ、早かれ確実に秋になります。
自分流の方法で秋に同化するのもいいと思います。

私は欲張って食欲の秋、文化の秋、行楽の秋を楽しみたいと思っていますが、とりあえず冬野菜の植え付けの準備と、お受けしている文化講演会や、セミナー等の用意にとりかかります。


五行説では、人の一生を四季と色で表現していますが、春は青、夏は赤(朱)、冬は黒で、秋は白色を当てています。

「青春」という語源もここからきていますが、童揺、歌謡、詩集等でなじみの深い北原白秋の、「白秋」の由来にもなっているようです。


ちなみに「白秋」とは、若くもなく年齢を重ね過ぎてもいない微妙な時期で、人として深みや豊かさを増す時期です。

日本は国連加入国193か国中、平均寿命も健康寿命も、人口10万人当たりの百歳人口もトップクラスで、世界に先駆けて人生百歳時代を迎えている平和な国です。

そんな中、私も人生の白い秋を迎えたわけですが、人として穏やかな空気や佇まい、加えて品のある振舞を心がけていければと思っています。(あくまで希望です)


暦の上では秋と言え、実際は夏の真っ盛りの時で、年間最高気温を観測することも珍しくありませんが、それでも晩夏を象徴する蜩が鳴いたり、入道雲が出てきたりする時期なのですが・・・。
今年はセミの鳴き声がほとんど聞こえてきません。

また私が済んでいる「晴れの国」岡山では、桃の出荷が盛んですが、その主流である「白桃」は、岡山で生産された日本の桃の元祖ともいえる品種で、大変上品な味が特徴です。

魔除けの力を有し、古くからから親しまれた桃の花は春の季語ですが、桃の実は秋の季語になります。
七十二候では、3月11日から15日頃までが「桃始笑」です。


8月8日から12日頃は七十二候の「涼風至(すずかぜいたる)」です。
山間部では昼間は都会並みの暑さですが、夕方から夜にかけて涼しい風に恵まれることが多くなってきます。

昔は打ち水をし、涼風を求め家の外に出て、隣近所の人と、たわいもない話をして、ゆったりした時間を過ごしたものです。

今はクーラーのせいでしょうか、そのような風情はなくなりましたが、同時に地域におけるコミュニテイーも希薄になってしまいました。
物は豊かですが、心の豊かさは失われたということです。
近年の異常な猛暑がそれに拍車をかけていますが、それにどのように対応するか?世界レベルでの話し合いを期待したいところです。
戦争なんかしている場合ではないということです。


旧暦の行事や季節に合わせた「和風月名」では、8月は落葉が始まる「葉落ち月」を縮めた「葉月」と呼ばれますが、各地で夕立やゲリラ豪雨が多く発生します。

そして夕立につきものの「雷」は、「神鳴り」といわれています。

天にいる雷の神様の仕業ということですが、これは「稲妻」とか「稲光」という言葉にもなっています。

「雷除けのおまじない」に「くわばら、くわばら」がありますが、これは京都の菅原道真の領地であった「桑原」には、一度も落雷がなかったからという説があります。

もとは落雷除けのおまじないであった「くわばら、くわばら」も次第に、怖いことや災難除け全般のおまじないになったということですね。

そういえば最近はあまり見かけなくなった気がしますが、夏の風物詩の一つに「肝試し」がありました。

人が潜在的に恐怖を感じる墓地や竹藪をあえて歩くわけですが、もとは江戸時代に武士の度胸試しに始まったといわれています。

科学が発達した今では怖いものの対象も大きく異なりました。
いま最も怖いものは核兵器(核爆弾)ではないでしょうか。

江戸時代の恐いものとはスケールが違う怖さです。

戦後80年を迎えた今、世界唯一の被爆国日本は、核軍縮、不拡散において中心的役割を果たしてほしいものですね。
くれぐれも、それから背を向けないで戴きたいと思います。

現在の日本の政治家の振る舞いを見ていると、本当に国民が幸せになるようなかじを切っているとは思えないのですが・・・。

そろそろ猛暑の疲れが出やすい時期です。
水分補給もさることながら、栄養、睡眠、休養もお忘れなく。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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