マナーうんちく話453≪冬来りなば春遠からじ≫
日本は世界屈指の年中行事の多い国だといわれていますが、国際化、デジタル化、さらにコロナ等の影響もあり、年々その意味が薄れたり、関心が薄くなってきたようです。
時代の流れ、といわれればそうかもしれませんが、実にもったいない気がします。
ちなみに「年中行事」とは、毎年決まった時期に習慣のように繰り返し行われる事柄を意味します。
個人的な行事広義の意味では年中行事に含まれるかもしれませんが、一般的には「公式行事」を指します。
では先人は、なぜ年中行事を大切にしてきたのでしょうか?
日本が四季に恵まれ、稲作を中心とした農耕文化で栄え、自然と共生し、神道を信仰してきたことと密接な関係があります。
〇家族の健康や幸せ、及び子孫繁栄を祈るため。
〇豊作に感謝し、再度五穀豊穣を祈念するため。
〇先祖の霊を祀るため。
〇毎日の単調な生活にメリハリをつけ、活力や潤いを得るため。
年中行事には上記のような役割があるわけですが、数多くの年中行事を生活に取り入れることで、家族や地域のコミュニケーションを深め、絆を強めるわけです。
また先祖を祀り大切にすることで、命のつながりを実感することができます。
隣人との人間関係の稀薄化、少子化、地球の温暖化など、直面する課題解決のヒントがたくさん存在すると思うのですが、改めて年中行事の存在意義を認識していただきたいものです。
つきましては、次の《年中行事に関する問題》に挑戦してみて下さい。
形ばかり追求するのではなく「なぜこうするの?」という、合理的な理由を理解していただければと思います。
「マナーうんちく話」は多くのマナー講師の方にもお付き合いいただいていますが、マナー講師を目指す人には特に高得点を目指していただきたいものです。
少し難易度が高いかもしれませんが、解答と解説は次回に回します。
①新年を迎えたら英語圏では「ハッピーニュウイアー」と挨拶しますが「あなたにとって新年がいい年になりますように」との意味が込められているそうです。
では日本の「明けましておめでとうございます」の意味は?
②節分には「豆まき」をしますが、その目的は?
③現役時代の後輩(部下)から5000円相当の「お中元」が宅配便で届きました。
どのように振舞いますが?該当する項目を選んでください。
・取り急ぎメールか電話で届いたという連絡とお礼を述べ、あとで礼状(葉書、手紙)を出す。
・先輩(上司)として早速7000円相当のお中元を贈る。
・3000円相当のお中元を贈る。
④日本には江戸時代に公式行事として定められた五つの節句「五節供」があります。
・節句とは?
・五節供の中で一番格式が高いといわれている9月9日の節句は?
⑤日本では春と秋の彼岸には「お墓参り」をします。その理由は?
⑥日本では愛でたいときには「赤飯」や鯛の「おかしらつき」をいただきます。
・赤飯をいただく理由は?
・「おかしら」を漢字で書いて下さい。
⑦洋食にはテーブルナプキンが付きますが、和食では「おしぼり」です。
では、おしぼりの本来の目的は?
⑧日本には「冠婚葬祭」といわれる4大儀礼がありますが、この中の「祭」の意味は?